既存の学校教育は量子力学の「文盲」を大量生産している
子供のころからアインシュタイン物理学に接することは、もう1つ重要な効果を与えてくれます。
アインシュタイン物理学はニュートン物理学と違い、日常的な常識や直感に反する現象を扱います。
そのためアインシュタイン物理学について書かれた文章は、訓練を全く受けていない人々には「意味不明」であり、言葉を尽くして語ったとしても「なるほどわからん」となりがちです。
たとえば、量子もつれでは
「左右に分かれた2つのもつれ状態にある光は「一方が縦揺れならもう一方が横揺れになる」という決まりだけが、見えない糸で関連付けられただけの状態にあり、どっちが縦揺れか横揺れかといった情報は、まだこの宇宙には存在していない状態にある」
という説明をされます。
しかし、アインシュタイン物理学の訓練を受けていない人々には知っている言語で書かれていても、何を言っているのか理解できないでしょう。
これはある意味で「量子力学の文盲」と言えます。
義務教育課程でアインシュタイン物理学を教えることができれば、子供の段階からこのような量子力学的な記述を読んで理解する能力(量子力学の識字率)を得ることができるようになり、現代科学に対応した人材を数多く育てられるようになるでしょう。
実際、アインシュタイン・ファーストの授業が進んだ教室では、休み時間に子供たちが時空の歪みについて、友達同士で語り合う様子も観察されています。
ニュートン物理学に固執している国では、同じような光景は大学生同士でも稀でしょう。
子供たちはアインシュタイン物理学を大人よりもずっと早く吸収し、大人たちが期待していたよりもずっと柔軟に使いこなしているのです。
現在、アインシュタイン・ファーストはその効果が認められ、オーストラリア全土の学校で行われるようになりました。
またアインシュタイン・ファーストの教育方法を学ぶため、ノルウェー・中国・韓国・イタリア・ドイツ・英国・米国などから多くの学校の先生たちが積極的に「先生用のトレーニングコース」を受講するようになりました。
学校でニュートン物理学しか教えない国と、アインシュタイン・ファーストを積極的に実施している国、どちらがより多くの優秀な人材をうみだせるか、勝負はみえていると言えるでしょう。
数学でも集合論を前提とした教育を最初からすべきだと思う。その方がむしろ小学生の「なぜ?」という思考形式に合うと思う。日本では未だに数学科をでても記号論理学上の「形式上の証明」と「普遍的な意味上の証明」を混同している人に出会う。