新種はどんな特徴を持っているのか?
こちらは野生下にいるG. パニトフォンギとその生息地の川です。
G. パニトフォンギは体長10センチ程で、頭部〜胴体にかけて深みのある青緑色、尻尾にかけて鮮やかなオレンジ色となっています。
顎の真下についている口部は円盤状の吸着パッドのようになっており、これを使って、岩肌に付着した藻類やデトリタス(微生物の死骸や排泄物を含む有機物質)をこそげ取って食べます。
彼らを水槽の中に入れておくと、ガラス面などにできた藻類を自然に食べてくれるので、掃除係としても活躍してくれるそうです。
また近縁種と大きく異なる特徴の一つは、鼻先のウロコが硬化してできたイボイボです。
他のアゴヒラ属にも同じような構造はあるのですが、そのほとんどは一時的なもので、繁殖シーズンに巣を守るために使った後は取れてなくなります。
しかしG. パニトフォンギでは、イボイボが永続的に残り、普段も攻撃用の武器として使用しているのです。
加えて、ツノのように細く尖った鼻先も彼らに特有の形態であり、研究者らは、こうした特徴をヒントにG. パニトフォンギを見分けています。
一方でペイジ氏によると、アゴヒラ属は200種近くが知られていますが、彼らの進化史に関する情報は驚くほど少ないと話します。
アゴヒラ属の種がどのように多様化し、世界の流域に拡散していったのかがよく分かっていないのです。
さらにペイジ氏は、本当は別種であるはずなのに、見た目が似ていることから同じ名前で一括りにされている種も少なくないと考えています。
今後の研究で、レッドテール・ガラのような隠れた新種がさらに見つかるかもしれません。