恐竜はどのように鳥へ進化したのか?
「鳥は恐竜の子孫である」という事実は、すでに一般層にも広く知られるようになりました。
恐竜が絶滅したのは約6600万年前の隕石衝突が原因ですから、では「鳥類が誕生したのはその後か?」というとそうではありません。
恐竜はそれ以前から、鳥に見られる翼やクチバシなどの特徴を徐々に進化させていました。
これまでの研究で、鳥類のグループは約1億5000万年前の後期ジュラ紀までに恐竜のグループから分岐し始めたことが分かっています。
鳥類の進化へと舵を切ったのは、ティラノサウルスやヴェロキラプトルを代表とする「獣脚類」の一部の恐竜たちでした。
その進化が進む中で、現代の鳥の特徴を備え出した最初期の恐竜が「始祖鳥(アーケオプテリクス)」です。
始祖鳥は約1億5000万年前のドイツで発見され、のちに中国でも似たような化石が見つかりました。
彼らはすでに羽毛や翼、飛翔能力を獲得していましたが、まだまだ恐竜の特徴を色濃く残しており、鳥類よりデイノニコサウルス類(Deinonychosauria)という恐竜グループとの共通点の方が多いと指摘されています。
ところが始祖鳥の他に、恐竜から鳥類への進化のミッシングリンクを埋める化石はほとんど見つかっておらず、研究者らも鳥類への進化についてはこの数十年間は始祖鳥の記録に頼るしかありませんでした。
始祖鳥の後の時代で、現状最古とされている鳥類の化石は約1億1000万〜2000万年前の前期白亜紀に登場したといいます。
つまり、始祖鳥から最古の鳥類の誕生までには、化石記録的に約3000万年の空白があるわけです。
この間に恐竜がどのような鳥への進化をしていたのかは謎でした。
しかし今回の新たな発掘調査で、そのギャップを埋める新種の恐竜化石が見つかったのです。