ゼブラフィッシュの胚の最初の鼓動を捉えることに成功
研究チームは、脊椎動物の最初の鼓動を調べるために、ゼブラフィッシュの胚を使用しました。
ゼブラフィッシュは体長5cmほどの小型の魚です。
脊椎動物でありながら胚が透明であり、急速に成長してわずか24時間で心拍が発生します。
また遺伝子改変なども容易なため、モデル実験動物として利用されます。
チームは、胚発生(受精卵が細胞分裂を始めて個体を形成する過程)を観察し、形成された心臓が最初にどのように鼓動するのか記録。すべての心臓細胞のカルシウム濃度と電気活動の変化を捉えました。
その結果、研究チームは、すべての心臓の細胞が、突然拍動を開始し、すぐに全体が同期して「心臓の鼓動が開始される」のを発見しました。
心筋細胞たちの動きは徐々に開始・拡大されていったり、徐々に連動していったりするのではなかったのです。
コーエン氏は、「誰かがスイッチを入れたかのようだった」と語っています。
さらに詳しい調査では、最初の心臓の鼓動の90分前に、それぞれの心筋細胞がまるで準備するかのように興奮状態になると判明しました。
心筋細胞が発達するにしたがってカルシウム濃度が高まります。
そしてある細胞でカルシウム濃度が突如急激に上昇。電気活動の爆発が起こり、瞬時に残りの細胞に伝わってそれぞれの拍動を促していたのです。
最初の数回の鼓動はやや不規則ですが、すぐに同期することも分かりました。