プレゼント選びで失敗しがちな贈る側に存在するバイアス
誕生日、バレンタインデー、結婚記念日やクリスマス。
1年間を通して、ギフトを贈る機会は多くあります。
しかしそこで問題となるのが、プレゼント選びです。
望んでいなかった物や、もらったはいいものの、使うことなく押し入れの奥に眠ってしまっているなど、皆さんも心当たりがあるのではないでしょうか。
どうすればこのような贈る側と受けとる側の食い違いを防ぎ、相手が喜ぶプレゼントを選び渡すことができるのでしょうか。
一番簡単な方法は相手に欲しいものを聞いてしまうことでしょう。
友人の結婚祝いや出産祝いであれば、相手に欲しいものを聞いてからプレゼントを買うのが無難と言えるでしょう。
とはいえ誕生日やクリスマスなどには、事前にもらえるプレゼントを知っているよりも、当日まで分からないなどのサプライズ感を大切にしたいという考えがあるかもしれません。
しかしどういうわけか、そのような場合以外にも、私たちは誰かに贈り物をする際に、プレゼントを渡す人に欲しい物を聞くことは、サプライズ感や意外性を失ってしまうと考え、何が欲しいかを直接尋ねないのです。
科学誌「Current Directions in Psychological Science」に投稿された、米カーネギーメロン大学のジェフ・ガラック氏(Jeff Galak)らの研究チームは、過去の「プレゼント」に関する20の研究をレビューし、贈る側ともらう側に食い違いがあることを報告しています。
どうやら私たちには、プレゼントを贈る際に、箱を置けたときに「あっ」と驚き、喜ぶ非日常的なものを贈るべきであり、その様子を見たいと考えるバイアスがあるようです。
そのレビューされた研究の中でも、アメリカのハーバード・ビジネス・スクール(HBS:ハーバード大学の経営大学院)のフランシスコ・ジノ氏(Francesca Gino)らの研究チームは、さまざまな状況でプレゼントを贈る側ともらう側の食い違いを検討しています。