18世紀イギリスでは「紅茶の流行」をきっかけに死亡率が低下していた!
18世紀イギリスでは「紅茶の流行」をきっかけに死亡率が低下していた! / Credit: QMULOfficial – The history of tea in Britain(youtube, 2015)
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「紅茶の流行」をきっかけに18世紀以降の英国人の死亡率が急激に低下!でも紅茶は関係ない?

2023.12.25 Monday

かつてのイギリスには、紅茶の普及が図らずも人々の命を救った歴史があったようです。

米コロラド大学ボルダー校(CU-Boulder)の研究者は最近、18世紀後半にイギリスで紅茶が爆発的に広まったことが、人々の死亡率を低下させていた証拠を発見したと発表しました。

しかもそれは紅茶の栄養効果のお陰ではなく、紅茶を飲むことで広がった”ある習慣”が最大の要因だったという。

一体紅茶を飲む習慣の何が当時の人々の死亡率を下げたのでしょうか?

研究の詳細は、2023年11月17日付で学術誌『Review of Statistics and Economics』に掲載されました。

How Britain’s taste for tea may have been a life saver https://www.bbc.com/future/article/20231215-how-britains-taste-for-tea-may-have-been-a-life-saver
For Want of a Cup: The Rise of Tea in England and the Impact of Water Quality on Mortality https://direct.mit.edu/rest/article-abstract/105/6/1352/109264/For-Want-of-a-Cup-The-Rise-of-Tea-in-England-and

なぜか18世紀イギリスで死亡率が急に減少

18世紀イギリスの人口統計データには長い間、研究者たちにとって大きな謎がありました。

それは1761年から1834年の間に、年間死亡率が急激に減少に転じていたことです。

当時はまだ賃金が上がっておらず、労働者たちの生活水準もほぼ上昇していません。

加えて、産業革命の高まりとともに多くの労働者が都市部に押し寄せたため、町の衛生状態もかなり低いものでした。

それなのにどうして死亡率が下がったのか、研究者は大いに疑問だったのです。

産業革命のシンボルになった世界最初の鉄道の開業(イングランド北東部ダラム州、1825年)
産業革命のシンボルになった世界最初の鉄道の開業(イングランド北東部ダラム州、1825年) / Credit: ja.wikipedia

その一方で、コロラド大学ボルダー校の経済学者であるフランシスカ・アントマン(Francisca Antman)氏は「18世紀の紅茶の普及にその要因があるのではないか」と予想しました。

というのも、当時のイギリスでは水質の悪さから「赤痢」のような危険な下痢性疾患が流行し、死亡者が続出していたからです。

赤痢は汚染された水に潜む赤痢への感染によって発症しますが、それらは水の煮沸によって死滅させることができます。

つまり紅茶が普及すれば、人々は自然と煮沸された安全な水を飲むことになり、赤痢も減少すると考えられるのです。

そこでアントマン氏は18世紀イングランドにおける人口統計データをもとに分析を行いました。

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