石板に刻まれた29個の窪みが「星座」と合致!
石板が見つかった遺跡は「カステリエーレ・ディ・ルピンピッコロ(Castelliere di Rupinpiccolo)」と呼ばれる古代の要塞です。
紀元前1800年頃から紀元前400年頃まで使用され、現在では高さ3メートルの壁が残っています(本来は7〜8メートルあったと推定されている)。
この遺跡の調査中に、要塞の入り口付近で直径約50センチ・厚さ約30センチに達する円盤状の石板が2つ発見されました。
石板の1つは特に模様もなく太陽か何かを表したオブジェと見られていますが、もう1つには表面にいくつもの窪みが彫られていたのです。
研究主任の一人であるフェデリコ・ベルナルディーニ(Federico Bernardini)氏は、その窪みの位置を調べてみたところ、さそり座を表す星々の位置とピッタリ合致することを発見しました。
そこで研究チームは、石板に彫られた窪みが星図を表していると考え、本格的に調査を開始します。
そして調べれば調べるほど、石に刻まれた模様は偶然に配置されたものではないことが明らかになってきました。
まず石板に記された窪みは全部で29個見つかり、石板の表側に24個、裏側に5個が刻まれています。
さらに表側のうち、9つはさそり座、5つはオリオン座、9つはプレアデス星団を構成する星の位置とピッタリ重なり合ったのです。
こちらの図は石板の表側に見られる24個の窪みを、グループ1(さそり座:番号1〜9)・グループ2(オリオン座:番号11〜15)・グループ3(プレアデス星団:番号16〜24)に分類したものです。
また石板の裏側に記された5つの窪みは、Wの形で並ぶのが特徴のカシオペヤ座(番号25〜29)を表しているようでした。
チームは石板に刻まれた窪みの形状や角度に基づいて、おそらく同一人物が先端の尖った青銅製のノミをハンマーで打ち付けるようにして彫刻した可能性が高いと見ています。
しかし一方で、石板には現在の夜空には存在しない星が1つ刻まれていました。
これは一体何なのでしょうか?