初心者ドライバーはどの国でも事故リスクが高い
日本であれば、普通運転免許の取得は18歳以上となっており、高校を卒業したばかりの若者は、すぐに他の熟練ドライバーと肩を並べて公道を走ることができます。
一方、アメリカでは大半の州で16歳になれば免許を取得できます。
またオーストラリアでは17歳以上で取得でき、合格した場合は「Pプレート」と呼ばれる初心者運転免許証が交付されます。
日本の若葉マーク(初心運転者標識)表示義務のように、初心者を分けるルールがあるのですね。
それもそのはずで、初心者ドライバーはどこの国でも事故を起こしやすいことで知られています。
実際、世界の若者の死亡原因は様々ですが、交通事故による死亡はその中でも上位にランクインします。
日本では6人に1人が免許取得から1年以内に事故を起こしているようです。
こうした傾向はオーストラリアの初心者ドライバーでも同じです。
しかし、どんなに無事故無違反の熟練ドライバーであっても、最初は若葉マークを付けた「初心者ドライバー」だったはずであり、同じ初心者ドライバーでも事故率には違いがあるはずです。
では、どのような要素が、初心者ドライバーの事故を増加または減少させるのでしょうか。
一般的には、「若いこと」「男性であること」「経験不足」「夜間の運転」「同年代の同乗者を載せること」などが事故リスクの増加と関係しています。
また親の教育的介入(免許取得時期の決定や、運転の監督、車両の利用制限など)によって、事故リスクが低減することも分かっています。
こうした点を考えると、親が若者ドライバーにマイカーの所持を許すかどうかも事故率にかかわってきそうです。
そこでアイバース氏ら研究チームは、この点を調査するため、オーストラリアのニューサウスウェールズ州の若い初心者ドライバーを対象に、事故・入院・死亡記録と、その時の車の所有者の情報を分析しました。