史上初となる「負のうるう秒」が導入されるかも
地球の自転は長らく減速する傾向にありましたが、ここへ来て、自転速度が加速に転じていることが明らかになっています。
それには様々な要因が関わっており、1つにこれと断定することはできませんが、専門家らは「地球内部にある液体のコアの流れが変化していることが大きい」と述べています。
自転が加速するとなると、今度は天文時の1日が長くなってしまうので、再び帳尻を合わせるために原子時から「1秒を引く」という作業が必要になります。
これが「負のうるう秒」です。
具体的には、23時59分58秒の次に来る23時59分59秒をすっ飛ばして、いきなり0時0分0秒とする方法が検討されています。
コンピューターシステムに甚大なダメージが生じるリスクも
しかし、人類はまだ「負のうるう秒」を導入した経験がありません。
「1秒引くぐらい大したことない」と思われるかもしれませんが、原子時に合わせて厳密に稼働する世界中のコンピューターシステムにとっては大ダメージとなる可能性があります。
というのも専門家によれば、世界中のコンピューターシステムには「1秒を足す」機能が備わっているものの、「1秒を引く」機能はほぼ備わっていないというのです。
その中でプログラムを入力し直すと、コンピューターネットワークにエラーが生じ、原子時に則って正確に稼働する人工衛星や金融、エネルギー伝送システム、IT業界などに壊滅的な被害が出る恐れがあります。
ただ、このままのスピードで自転が加速し続けると、2026年には史上初となる「負のうるう秒」の導入が必要になるという。
ところが、事態はさらに一転します。
米カリフォルニア大学サンディエゴ校の地球物理学者であるダンカン・アグニュー氏によると、現在地球は温暖化にともなう極地の氷融解によって、自転速度が減速しつつあるというのです。