肉と言ったらジビエが中心だった江戸時代

江戸時代に食べられていた肉としては、イノシシやシカといったジビエが挙げられます。
江戸時代では全国的に大規模な開墾が行われていましたが、それに伴って野生動物が畑を荒らす獣害も増えていきました。
これらの野生動物から農作物を守るために駆除も行われるようになり、その結果として発生した動物の死体が食べられていたのです。
一方牛などといった現在では広く食べられている家畜は、あまり食べられてきませんでした。
これは当時の農民は牛を農業に使っており、人に近しい大切に扱わなければならない動物として捉えていたからです。
もちろん当時人々の足として日本中を駆け巡ることもあった馬もそのように扱われており、廃用馬を除いて食べられることはありませんでした。
また豚は当時の日本でも広く飼われており、江戸の町でも豚が飼育されていたという記録が残っていますが、飼育目的は汚物の清掃や猟犬の餌というものです。
琉球王国(現在の沖縄県)や薩摩藩(現在の鹿児島県)といった一部の地域では養豚が行われていたものの、それ以外の地域では豚は食用として扱われていなかったのです。