うつ症状を「磁場ヘッドバンド」で改善させる画期的な治療法を開発!
うつ症状を「磁場ヘッドバンド」で改善させる画期的な治療法を開発! / Credit: 名古屋大学 – うつ病に対する超低周波変動・超微弱磁場環境(ELF-ELME)治療による症状改善を解明(2024)
medical

頭に巻くだけ!新しいうつ病の治療法「磁場ヘッドバンド」を開発! (2/2)

2024.04.19 Friday

前ページうつ病治療の新たなスタンダートとなる「エルフ・エルメ療法」とは?

<

1

2

>

わずか4週目でうつ症状が改善!

今回の試験では、名古屋大学の精神科に入院している4名のうつ病患者に協力してもらい、頭部にヘッドバンドを装着して、1日2時間、延べ8週間にわたりエルフ・エルメ(1〜8Hz、10μT)の磁場環境に置きました。

治療効果と安全性は、精神科医とAIにより2週間ごとに評価を行っています。

AIによる評価は、合成音声を使った面接質問に患者が声で回答するコンピューター面談で、人間の評価者とは違い、主観を完全に排した評価ができます。

その結果、治療を開始して4週目からうつ症状の有意な改善効果が認められたことがわかりました。

治療開始時から2週ごとの平均改善率は、2週目で31%、4週目で45%、6週目で60%、8週目で68%と右肩上がりに効果が現れていたのです。

うつ症状の重症度を評価する「MADRS 」というツールを使用
うつ症状の重症度を評価する「MADRS 」というツールを使用 / Credit: 稲田俊也/名古屋大学 – 240402エルフ・エルメ療法 日本語版(プレスリリース用)(youtube, 2024)

AIによるうつ重症度の評価の平均値も、治療開始時の32.8点から8週間後には12.5点にまで改善しています。

さらに重要な点として、患者の身体や認知機能への有害な作用も認められませんでした。

このことからエルフ・エルメ療法は、従来の薬物治療のような副作用の危険性がないだけでなく、通院を必要としない在宅療法が可能であるため、うつ治療を大きく飛躍させる方法になると期待されます。

チームは現在、ヘッドバンド型だけでなく、枕の下に敷けるエルフ・エルメ装置も開発しているとのことです。

枕に敷くタイプも開発
枕に敷くタイプも開発 / Credit: 稲田俊也/名古屋大学 – 240402エルフ・エルメ療法 日本語版(プレスリリース用)(youtube, 2024)

また研究者によれば、患者は治療中の超低磁場環境を自覚することもないため、例えば在宅ワークや日常生活の妨げにもならないと話します。

「毎日2時間、自宅でヘッドバンドをつけるだけでうつ病が治る」

そんな日が近いうちにやってくるかもしれません。

<

1

2

>

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

医療のニュースmedical news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!