物質第4の状態プラズマとは何なのか?
物質第4の状態プラズマとは何なのか? / Credit:canva
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物質第4の状態を解明する!「プラズマ物理学」の世界

2024.06.17 Monday

「プラズマ」という言葉を聞くと、プラズマテレビやプラズマクラスターなどの家庭用機器を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、科学の世界のプラズマとは、私たちの日常生活とは少し異なる存在です。プラズマは、固体、液体、気体のいずれでもない物質の第4の状態を指しています。

プラズマは、物質が非常に高温になったとき、気体の分子だけでなく原子までがバラバラに分解され、電子と陽イオンに分かれて激しく動き回っている状態を指します。

これにより、プラズマは電気を通し、電磁場の影響を強く受ける特性を持つのです。

自然界では、太陽や他の恒星、オーロラ、雷などがプラズマの代表例です。また、蛍光灯やネオン管の中でもプラズマが利用されています。

今回はそんなプラズマを扱うプラズマ物理学が、物理学の一分野として特別な扱いを受けるようになった経緯、その歴史と重要性について解説していきます。

Introduction To Plasma Physics I(MIT) https://ocw.mit.edu/courses/22-611j-introduction-to-plasma-physics-i-fall-2006/pages/readings/ plasma(Britannica ) https://www.britannica.com/science/plasma-state-of-matter Irving Langmuir(Britannica ) https://www.britannica.com/biography/Irving-Langmuir

プラズマの発見

クルックス管(真空放電管)電極をオンにすることで管内に残った僅かなガスが電離してプラズマとなる。
クルックス管(真空放電管)電極をオンにすることで管内に残った僅かなガスが電離してプラズマとなる。 / Credit:commons.wikimedia

プラズマの概念自体の発見は、19世紀後半に遡ります。

1879年、イギリスの物理学者ウィリアム・クルックス(William Crookes)は、初期の真空放電管の中で光るガスを観察しました。

クルックスはこのガスを「放電気体」と呼びましたが、これは後に「プラズマ」として知られるようになる現象の初期観察でした 。

プラズマという言葉は、1928年にアーヴィング・ラングミュア(Irving Langmuir)によって初めて使用されました。

詳細 アーヴィング・ラングミュア(1923)
詳細 アーヴィング・ラングミュア(1923) / Credit:commons.wikimedia

ラングミュアは真空管内のガス放電実験中に、この第4の物質状態を発見し「プラズマ」と名付けたのです。これはギリシャ語で「形成するもの」を意味します。

そして彼はプラズマが電子とイオンが自由に動く電離ガスであり、非常に特殊な物理的性質を示すことを明らかにしたのです。

では、この物質の第4の状態とはなんなのでしょう?

次ページ気体でも液体でも固体でもない!物質の第4の状態「プラズマ」

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