プロテインを飲むタイミングに過敏にならなくて良い
早速、今回の実験で得られた結果を見ていきます。
8週間後の筋肉量は両グループで同じくらい増えていました(Immediate群:平均1.18kg、3h群:平均1.07kg)。
また、筋力も両グループともに向上が認められました。
これらの結果は、筋肥大や筋力アップのためにトレーニングをしている筋トレ愛好家の場合、1日のタンパク質摂取量が十分で(体重1kg当たり2g)、かつ1回当たり20~40gの量を、1日を通して摂取すれば、必ずしもトレーニングの直前・直後にプロテインを飲まなくても良いことを示しています。
得られた結果をもとに、この研究グループは、プロテインをとるタイミングが筋肥大に影響を及ぼすとしても、それは比較的小さいものだと記しています。
また、仮にアナボリックウィンドウ(ゴールデンタイム)の概念が現実に存在するとしても、従来から思われている時間軸よりも広い可能性があり、筋肉を成長させる上で、1日を通したタンパク質の摂取量の確保の方が、優先度が高いとも指摘しています。
総じて、今回得られた結果は、先行研究の見解をさらに裏付けるもので、トレーニング後に欠かさずプロテインを飲んできた筋トレ愛好家の中には残念に思う人もいるかもしれません。
ただ、必要なタンパク質を確保するために、トレーニングの直前・直後にプロテインを飲むことがプラスに働く場合もあります。
その理由は、この研究でも言われているとおり、タンパク質は1回当たり20~40g(体重1kg当たり0.25~0.40g)の量を3~4時間おきに摂取することが大切なことが関係しています。
つまり、トレーニングと食事の間に時間が空くようなケースでは、筋トレの直前や直後にプロテインを摂取する習慣は、結果的に筋肉を成長させるために悪くないタイミングになっていると言えるのです。
その上で、今回の結果を踏まえると、いつもはカバンに忍ばせているプロテインシェイカーを忘れてしまった日は、慌てずに、1日を通したタンパク質が不足しないようにその後の食事を工夫すれば十分でしょう。
また、トレーニング直後にプロテインを飲み、その後すぐに夕食をとっている人は、例えば、昼食と夕食のちょうど間といったように、タンパク質が摂れていない隙間の時間帯を見つけてプロテインを飲むのもオススメです。
1日のたんぱく質摂取量が十分な人が、さらに摂取しても余剰分なので有意な差が出ないのは自明ではないのか?
普通の人は、前提条件である「1日のタンパク質摂取量が十分」取れていないから、トレーニングの前後でプロテインを摂取することは意義があると思う。