人類最大の武器は「事前の予測」ができること
恐竜を絶滅させたのと同等の巨大隕石が飛来してきたとき、人類には何ができるのか?
まずもって最重要課題となるのは、隕石の飛来を「事前に予測」することです。
正直にいうと、これができなければ、人類が生き延びる確率はかぎりなくゼロに近づくでしょう。
地球に向かってくる隕石を前もって発見できる技術は、人類が生み出した最大の武器といっても過言ではありません。
恐竜たちはこれができなかったせいで、隕石衝突の被害をもろに受けることとなりました。
(もし事前に隕石の飛来を予知して、落下地点から遠く離れた場所に避難していれば、少なくともいくつかの種は生き延びられたかもしれません)

しかし人類は長年にわたって築き上げてきた科学技術により、地球に接近する隕石を前もって発見することができます。
実際に人類は宇宙に打ち上げられている探査機を使って、地球近傍の小惑星や彗星を追跡観測し、そのうち地球に衝突する可能性があるものを随時チェックしているのです。
そして隕石の正確な軌道計算ができれば、数十年単位から最大で100年先までの接近・衝突リスクを予測しておくことができます。

具体的な例を挙げますと、1997年に発見された地球近傍小惑星「1997 XF11」は2028年に地球に最接近することがわかっています。
つまり、人類には恐竜たちと違って、「巨大隕石が地球に衝突する!」とわかってから最大で数十年以上の準備期間があるわけです。
では、この間に私たちはどんな準備を整えておくべきなのでしょうか?