MAXスピードに達すると「4つ足が宙に浮く」!
ハッチンソン氏は手始めに、カバの走りに関する先行研究を調べてみましたが、満足のいく答えは見つかりませんでした。
そこで氏は指導学生の一人で、同チームに参加しているエミリー・プリングル(Emily Pringle)氏をイギリス北部ノース・ヨークシャーにある動物園「フラミンゴ・ランド・リゾート(Flamingo Land Resort)」に派遣しました。
この施設ではカバも飼育されており、彼らが走り回れる広いスペースも設けられています。
プリングル氏はカバが厩舎(きゅうしゃ)と水飲み場を走って往復する様子をビデオ撮影し、実験室に持ち帰りました。
これと別にハッチンソン氏は、インターネットに投稿されているカバの走行映像をかき集め、プリングル氏が撮影した映像と合わせて、延べ32頭のカバによる169件の走行データを収集することに成功しています。
ハッチンソン氏はそのデータを1フレームごとに分解して、カバが走っているときのメカニズムをつぶさに調べました。
余談ですが、動画データをフレームごとに調べる作業は「本当に地獄だった」とハッチンソン氏は話します。
「気が遠くなりそうな作業で、あらゆる仕事の中でも一番嫌いなものの一つです。本当につまらない作業で、苦痛でしかありません」
研究者がここまで言うのだから、本当に大変な作業だったのでしょう。しかし研究者たちはこうした気の遠くなるような作業の末に、重大な発見をします。
なんと、カバが全速力に達したとき、4つの足がすべて宙に浮いている瞬間があることを発見したのです。
これは実にシンプルな発見ではありますが、これまで誰も知らない事実でした。
具体的に見ますと、カバの走り方はどのスピードでも「トロット」という走法だったといいます。
トロットとは対角線上にある2本の足(例えば、右前足と左後ろ足)をシンクロさせて交互に動かす走り方で、4つ足の動物が小走りをするときに見せるものです。
これがもっと速くなると、ウマやチーターが見せるような「ギャロップ」という走り方になります。
ギャロップで4つ足が宙に浮くことは誰もが知っていますが、カバがトロット走行で4つ足のすべてを地面から離すことができる事実は初めて明らかになりました。
ハッチンソン氏によると、カバが全速力で走っている時間の最大15パーセントは4つ足が地面から離れていたとのことです。
また同じトロット走行で走る巨大哺乳類には「ゾウ」がいますが、彼らの4つ足が地面から離れることはありません。
そう考えるとカバの走行速度がいかにすごいかがよくわかります。
しかしゾウやカバと肩を並べる大型哺乳類の「サイ」はカバよりも速く走ることができると考えられています。ただし、サイの場合はギャロップ走行もできるため、トロット走行のみで4つ足を地面から浮かすほどの速度で走るカバは、やはりすごいと言えるでしょう。
これを踏まえてハッチンソン氏は「カバの運動能力はゾウとサイの中間に位置している」と述べました。
今回の成果は、カバのような大型哺乳類が陸上でどのように走るかの科学的理解を大きく向上させるものです。
またハッチンソン氏はこの知見について、体に異変があったり、歩行困難を起こしているカバを診断するのにも役に立つでしょうと話しました。
とりあえず、カバも空を”跳ぶ”と結論してよさそうです。
空を飛ぶカバ
フェルダグリフは実在したんですね💡
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%80%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%95
カードゲームの中の架空の生物ですw