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ドイツの町に忽然と現れた謎の少年「カスパー・ハウザー」の数奇な人生! (2/3)

2024.08.06 Tuesday

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人並み外れた「超感覚」を持っていた!

保護されたばかりのカスパーは言葉を理解したり、まともに話すことができず、普通に育っていれば身につくはずの常識や人間らしさがありませんでした。

例えば、おもちゃの犬と本物の犬の違いがわからず、同じように接したり、鏡の中の像を手でつかもうとしたりしたのです。

また食事に関しても、肉と牛乳を与えるとすぐに吐き出してしまい、パンと水しか食べることができませんでした。

カスパーの感覚の鋭さは異常で、暗闇の中でも聖書の文字が読めたり、色彩を判別することができました。

また金属を握っただけで鉄や真鍮などの材料を当てられたり、遠く離れたクモの巣に獲物がかかっていることを言い当てたりしたのです。

加えて、見たものを一瞬で覚えられる「瞬間記憶能力」を持っており、そのおかげで絵を描く能力が著しい速度で上達していきました。

1829年にカスパーが描いた絵
1829年にカスパーが描いた絵 / Credit: en.wikipedia

その反面、鋭敏すぎる感覚ゆえに、普通の刺激にも苦痛を受けたといいます。

例えば、昼間の明るい光や騒音に痛みを感じたり、群衆の前に連れて来られると平静を保つことができませんでした。

こうした異常な感覚能力から、人々はカスパーが「かなりの長期にわたって暗い地下牢にたった独りで閉じ込められていたのではないか」と推測するようになったのです。

ただカスパーの超感覚はごく普通の生活を送るにつれて徐々に消失していったそうです。

光や音の刺激にも慣れていき、群衆の前に立っても落ち着いていられるようになりました。

地下牢に閉じ込められていたカスパーの想像図
地下牢に閉じ込められていたカスパーの想像図 / Credit: en.wikipedia

こうしてカスパーの名前と容姿が人々の間に知れ渡るにつれて、ある一つの噂が広がり始めます。

それが「王族であるバーデン大公家に顔が似ている」というものでした。

このことから「カスパーはバーデン大公家の世継ぎだったのではないか」との説が噂されるようになるのです。

しかしその真偽が明らかになる前に、カスパーは悲惨な最期を遂げることになります。

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