ギョベクリ・テペに「世界最古のカレンダー」を発見か
ギョベクリ・テペは直径およそ300メートルに及ぶ広さで、そこには200本以上の石柱が円を描くように建造されています。
これまでの研究によると、ギョベクリ・テペは紀元前8200〜1万年前の期間に建てられたことがわかっています。
それらは高度な文明が約1万2000年以上前の時点ですでに存在したことを物語っていますが、ギョベクリ・テペ自体は何の目的で建てられ、どのように利用されていたのか、明確にはわかっていません。
そんな中、研究チームは最近、ギョベクリ・テペの少なくとも一部の石柱は「暦」や「天体現象」の記録として使われていた可能性を発見しました。
チームは以前の研究で、ヴァルチャーストーン(Vulture Stone=ハゲタカ石)と呼ばれる石柱に星座の図形が描かれている可能性があることを報告しています。
研究主任のマーティン・スウェットマン(Martin Sweatman)氏は今回、さらに一歩踏み込んだ分析を行い、ヴァルチャーストーンに”世界最古のカレンダー”が彫刻されていることを見出しました。
同氏は徹底的な分析をもとにその理由を述べています(イメージしやすいように下図をご参照ください)。
氏は石柱に刻まれている数多くの「V字」を数えて、その1つ1つが1日を表していると捉えました。
またV字が29個か30個ほど描かれており、それが1まとまりで1カ月を示している痕跡が見られたという。
その下の列で11カ月をプラスして計354日(太陰暦は29.5日×12カ月で354日)を数え、さらにその下には1太陽年(365日)に帳尻を合わせるように、10日間を足して364日とした記録がありました。
加えて、ハゲタカの彫刻の首辺りにV字が1つ描きこまれており、スウェットマン氏はこれが「夏至」を表していると指摘。
この1日を足して、合計が365日となるような暦となっていると説明しました。
氏の説明が正しければ、これは月の満ち欠けに基づいた354日周期の「太陰暦」と、地球が太陽を1周して365日とする「太陽暦」の両方を考慮した”世界最古のカレンダー”となります。
しかしスウェットマン氏は、さらに驚くべき発見が別の場所にあったと話しました。
それによると、約1万3000年前に地球に衝突した彗星が描かれていたというのです。