熱い水と冷たい水ではクロマベクトルが違っていた
人間もAIも音だけで水の温度を聞き分けられるとしたら、いったいどんな音を判断材料にしているのか?
先に述べたように、既存の研究では熱い水と冷たい水には明白な音響的違いはないとされています。
研究者たちがAIの判断を参考に、水の音の特徴に対して計算的抽出を試みたところスペクトル重心、ゼロ交差率、メル周波数ケプストラム係数(MFCC)は、冷水音と温水音の間で有意差が見られませんでした。
スペクトル重心、ゼロ交差率、メル周波数ケプストラム係数(MFCC)は、音の特徴を数値的に捉えるための重要な指標です。
これらの指標に違いがない場合、その音の種類は非常に似ている、または同じものであるとみなされやすくなります。
しかし研究者たちが新たにクロマベクトルと呼ばれる音の特徴を調べたところ、熱い水と冷たい水の間に有意な差がみられることが明らかになりました。
音の調性(音楽的な高さや和音)を分析するための音響特徴の一つです。
クロマベクトルを調べることで、特定の音の周波数成分がどの音階(C、C♯、Dなど)の音を強く含んでいるかを知ることができます。
この結果は、AIも人間も水の複雑な音を和音として処理し、そのなかで目立つ音階と温度の関係を結び付けている可能性を示します。
研究者たちは視覚や聴覚と違い、温度を処理する脳領域が脳全体に広がっていることが何らかの役割を果たしている可能性があると述べています。
また今回の研究は、人間は多種類の感覚を統合する能力が、想定していたよりも優れている可能性を示しています。
もしかしたら私たちが気付いていないだけで、視覚を聞いたり温度をみたりする能力が人間にも存在するのかもしれません。
たしかにお湯注ぐ音と水注ぐ音とぜんぜん違うよね。
隠されていた能力というか当たり前過ぎて気にもしていなかったことが今回言語化された感じある。
確かに
家でもご飯をつぐときに熱いと注ぐときの音が微妙に違うかも
虫の音の聞き分けができる日本人で実験したらどうなるか、興味あるんだが誰か試してみてくれないものか…
大変面白いニュースです。以前からそんな感じはありました。沸騰したお湯を注ぐ時の音は、水を注ぐ時の音と違うと知ってる人は多いんじゃないでしょうか。こういうニュースをまた載せてください。
『先に述べたように、既存の研究では熱い水と冷たい水には明白な音響的違いはないとされています。』
→これ確かですか?何年も前に水を注ぐ音で温度が判断できるって話題があって、言われてみれば音が全然違うよなぁって思った記憶があるんですけど。
言われて見れば納得。熱=運動量だし、気温で音速も変わるんだから、音が違って不思議でない。