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psychology

バイリンガルは使う言語を切り替えると「色の見え方」が変わっていた!

2024.09.08 Sunday

使っている言語によって”世界の見え方”は変わるようです。

ノルウェー科学技術大学(NTNU)はこのほど、リトアニア語とノルウェー語のバイリンガル(二言語話者)を対象に、今使っている言語によって色の感じ方がどう変わるかを調査。

その結果、どちらの言語を使うかで、青色の濃淡の感じ方が瞬時に変わることが明らかになりました。

言語は私たちの感覚にも影響を与えているようです。

研究の詳細は2024年5月2日付で学術誌『Language Learning』に掲載されています。

Bilinguals perceive shades differently based on which language they are using https://www.psypost.org/bilinguals-perceive-shades-differently-based-on-which-language-they-are-using/
Active Language Modulates Color Perception in Bilinguals https://doi.org/10.1111/lang.12645

使う言語で「世界の見え方」は変わるのか?

言語が世界の見え方を形作る」という考えは、何十年も前から研究者たちによって議論されてきました。

有名な仮説に「サピア=ウォーフ仮説」があります。

これは「使う言語が変わると、物の見方や概念のあり方も変化する」という考え方です。

つまり、日本人である私たちは「日本語」という枠組みを通して身の周りの出来事を認識し、物を考えているので、日本人は日本語に根ざした知覚や思考をしていることになります。

研究チームは以前からこのトピックに関心を向けており、最新の研究で「使っている言語が変わると本当に世界の見え方も変わるのか」を検証することにしました。

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調査対象としたのは、リトアニア語とノルウェー語の両方を話すバイリンガルです。

特にここでは「青」の表現に注目しました。

ノルウェー語で「青色」を示す言葉は「ブロー(blå)」という1語だけだといいます。薄い青色も濃い青色もブローです。

一方で、リトアニア語で「青色」を示す言葉には「メリナ(mėlyna)」「ジードラ(žydra)」があります。

メリナは濃淡の強い紺色のような青を指し、ジードラは薄くて明るい空色のような青を指す言葉です。

研究主任のアクヴィレ・シンケヴィシウテ(Akvile Sinkeviciute)氏は「 これは興味深い言語的な違いを示しており、視覚認識における色の区別の仕方にも影響を与える可能性がある」と指摘します。

そこでチームは、リトアニア語とノルウェー語のバイリンガルが使う言語を切り替えたときに、青色の濃淡の感じ方がどう変わるかを実験で調べてみました。

次ページ言語を切り替えると「色の知覚」が変わった!

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