食べられたウナギが体内を逃げるX線映像
今回の研究でも、まずウナギの稚魚(造影剤入り)を捕食者に食べさせることからはじめました。
上の3つの動画の1つ目はウナギが胃に向けて飲み込まれていく様子、2つ目は胃から食道へバックで遡っていく様子、3つ目はエラから外へ抜け出していく様子が映されています。
下の画像がそのX線映像です。
今回の研究でも、まずウナギの稚魚(造影剤入り)を捕食者に食べさせることからはじめました。
上の3つの動画の1つ目はウナギが胃に向けて飲み込まれていく様子、2つ目は胃から食道へバックで遡っていく様子、3つ目はエラから外へ抜け出していく様子が映されています。
すると捕食された32匹のうち13匹(40.6%)の尾の部分が捕食者のエラからニョロリと出てきたことが判明。
また尾を出した13匹のうち9匹(69.2%)が完全な脱出に成功しました。
(※エラから尾が出てくると捕食者も逃がすまいとする動きをみせるため、最後の最後で力尽きる個体がいるようです)
この結果は、ウナギの尾が脱出において先導役を果たす重要部位であることを示しています。
もしかしたらウナギの尾には猫のヒゲのように通れる隙間を探し出すセンサーのような役割を持つ部位があるのかもしれません。
またウナギの脱出過程を詳細に分析した結果、一定のパターンをとることが明らかになりました。
たとえば完全に胃の中に入ってしまった11匹のケース(32匹中11匹)を調べると、ウナギたちはまず胃の中を出口(食道)を求めるように胃壁に沿ってグルグル動き回る行動を示しました。
そして11匹中5匹(45.7%)は食道部分に尾を挿入する段階に移行できたことが確認できました。
ただ11匹中2匹では「誤った出口」、つまり腸に向かって進んでしまいました。
また食べられたあとの時間的猶予はおよそ3分半までであり、それまでに脱出できなかったウナギは全て死んでしまいまうことがわかりました。
以上の結果から、ウナギの稚魚が胃から脱出するには、いくつかの関門がある可能性が示されました。
1つ目は胃のなかで正しい方の出口(腸ではなく食道)を探し当てること、そして2つ目はエラから逃げ出す段階で、捕食者の抵抗を振り払い完全に抜け出すまで粘ることです。
研究者は今後、他の魚類でも同様の方法を使って脱出を行っているかを調べたいと述べています。
すごーーい!
面白いです!