マウスの肺のウイルスレベルを99.99%減少させる!ほとんどの呼吸器感染症に効果あり
研究チームは、新しい鼻スプレー「PCANS」を使ったマウス実験を行いました。
その結果、PCANSは、マウスに適応させたインフルエンザウイスからマウスを保護することができました。

致死量の25倍のウイルスにさらされた場合でも、たった1回のPCANSの投与で、マウスは保護されました。
また、PCANSを投与されたマウスは、未投与のマウスと比較して、肺のウイルスレベルが99.99%以上も減少し、肺の炎症細胞(感染に対処し、体を守るために炎症反応を起こす細胞)も正常のままでした。
そして、PCANSはマウスの鼻に最大8時間留まり、感染防止の効果を発揮していました。
もし、人間にも同じ効果を発揮するのであれば、外出時の保護を強化したい場合、1日1.2回の投与だけで済むことになります。
加えて研究チームは、人間の鼻の3Dプリントモデルを使用した実験も行いました。
そのモデルの鼻腔にPCANSを噴霧すると、PCANSは、鼻の粘液だけの場合と比較して、2倍もの飛沫と捕らえると分かりました。
そして研究チームは、PCANSに関して次のように述べています。
「PCANSはジェルを形成し、強力なバリアを作り出します。
そして、インフルエンザ、SARS-CoV-2、RSウイルス、アデノウイルスなど、私たちがテストしたすべてのウイルスと細菌のほぼ100%をブロックし、無効化しました」

とはいえ、この新しい鼻スプレー「PCANS」には、まだ安心できない部分が残っています。
ヒトで直接試したわけではないため、私たちに対して実際にどれほど効果的なのかは分かりません。
またPCANSの使用感も気になるところです。
研究チームは、「PCANSのジェルは使用者の呼吸に影響を与えない」と主張していますが、このあたりは実際に人が使って確かめるべきでしょう。
強力なジェルが鼻の内部にまとわりつくのであれば、何らかの不快感やデメリットがあってもおかしくないからです。
とはいえ、全体的に考えると、PCANSは私たちに大きな期待を抱かせるものです。
「1日に1.2回鼻スプレーするだけ」という手軽さと、「マスクなどの従来の感染対策に追加できる」ことは、アレルギーで悩んでいる人、大事な会議を控えている人、大きなイベントに出向く人の需要にぴったりなはずです。