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自ら麻痺患者に歩み寄り、装着をサポートする次世代外骨格 / Credit:KAIST
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麻痺患者を再び歩けるように!自ら近寄り装着もサポートする「次世代外骨格」

2024.11.07 Thursday

これまで外骨格は、下半身麻痺患者にとって「再び歩く」という夢をかなえてきました。

しかし、従来の外骨格は重くて複雑であり、患者は健常者のサポートを受けなければ外骨格を装着できませんでした。

最近、韓国科学技術院(KAIST)は自ら歩行し、麻痺患者の装着をサポートできる「次世代外骨格」を開発しました。

この外骨格を装着した患者は、「狭い隙間を歩く」など麻痺患者にとって難易度の高い様々なミッションをクリアし、義肢などを用いた障がい者の競技「サイバスロン2024」で優勝しました。

詳細は、2024年10月24日付の『韓国科学技術院』より発表されています。

KAIST Introduces a Wearable Robot that Walks and Puts itself on to Disabled Persons https://www.kaist.ac.kr/newsen/html/news/?mode=V&mng_no=40790 Team KAIST Crowned Champion for their World’s Best Ironman, Winning their 2nd Consecutive Win at the Cyborg Olympics https://www.kaist.ac.kr/newsen/html/news/?mode=V&mng_no=40910

再び歩く!麻痺患者の夢を実現させる「外骨格」とその課題

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下半身麻痺患者にとって「再び歩く」ことは夢 / Credit:Canva

下半身が麻痺した患者にとって、再び歩くことは夢のようなものです。

特に重症度が高いと一層そのように感じるかもしれません。

例えば、1982年に米国脊髄損傷協会(ASIA)によって定められた「ASIA機能障害尺度」では、そのグレードがE(正常)~A(完全麻痺)の5段階に分かれており、グレードが上がれば上がるほど、再び歩くことが困難になります。

しかし、KAISTの研究チームは2015年から、そのグレードA「運動・知覚の完全麻痺」の患者を対象に、再び歩けるようにする外骨格を開発してきました。

2016年、彼らは初めて下半身麻痺患者用の外骨格である「WalkON Suit 1」を発表。

その後、第四世代まで改良し、2020年には障がいの無い人の通常の歩行速度である時速3.2kmを達成した「WalkON Suit 4」を発表しました。

しかし、この外骨格には、他のウェアラブルロボットに共通する根本的な問題がありました。

それは、外骨格を装着するには、他人の助けが必要だということです。

患者は、外骨格を装着できればひとりで歩くことができますが、そもそも装着する時に、誰かに助けてもらわなければいけなかったのです。

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ひとりで装着できる次世代外骨格「WalkON Suit F1」 / Credit:KAIST

しかし、研究チームは諦めませんでした。

最近、この問題を解決した、患者ひとりで装着できる次世代外骨格「WalkON Suit F1」の発売に至ったのです。

この外骨格ロボットでは、後ろ向きに座る方式ではなく、前向きにドッキングする方式が採用されているため、患者は車椅子から降りてロボットに乗り込む必要がありません。

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他人のサポートを必要しない外骨格。短時間の歩行であれば杖も不要 / Credit:Exoskeleton Lab @ KAIST(YouTube)_WalkON Suit F1: The Next-Gen Exoskeleton That Walks Itself(2024)

またロボット自体が装着をサポートするため、途中で誰か人間の助けを借りる必要もありません。

このように、患者ひとりでの装着が可能になったのは、この外骨格ロボットが優れたバランス機能を有しているからです。

次ページひとりで歩き、患者に歩み寄る次世代外骨格「WalkON Suit F1」

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