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濡れた犬が体を震わせる時の神経メカニズムを解明 / Credit:Canva
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濡れた動物がブルブル体を震わせる神経メカニズムを解明!意外な神経が関係していた

2024.11.16 Saturday

動物たちの多くは、濡れるとブルブルと体を震わせて毛についた水を吹き飛ばします。

イヌの飼い主ならよく見慣れた行動でしょうが、これはイヌだけでなく、野生のクマからネズミまで幅広い哺乳類たちが習得しています。

子供の頃、この動物たちの動きを真似してみたけど上手く出来なかったという人も多いでしょう。

この水を弾く動作は、機械のように精巧で非常に効率的です。一体彼らはどういう理屈でこの動きをしているのでしょうか? そしてなぜ人間には出来ないのでしょうか?

最近、アメリカのハーバード大学(Harvard University)に所属するデビッド・D・ギンティ氏ら研究チームは、濡れたイヌが体をブルブルと震わせる神経メカニズムを解明し、「C-LTMR」という感覚受容器が関係していることを発見しました。

この感覚神経は撫でられることに快感を感じさせ、主に毛づくろいなどの触発に関連していると考えられていましたが、毛のある動物たちには別の役割があったようです。

研究の詳細は、2024年11月7日付の科学誌『Science』に掲載されました。

Mechanosensory origins of “wet dog shakes” – a tactic used by many hairy mammals – uncovered in mice https://www.eurekalert.org/news-releases/1063560 Wet dogs don’t choose to ‘shake it off’ – it’s in their genes https://newatlas.com/biology/dog-shake-water-science/
C-LTMRs evoke wet dog shakes via the spinoparabrachial pathway https://doi.org/10.1126/science.adq8834

シャンプー後の犬は体をブルブルと震わせる

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シャンプーする飼い主は、イヌがいつ水しぶきを飛ばさないか怯えている / Credit:Canva

飼い主にとって、愛のシャンプーは大変な仕事です。

多くのイヌは水に濡れることを嫌うので、飼い主は、逃げようとする愛犬を必死におさえながら愛犬の身体を洗わなければいけません。

そして愛犬の身体から洗剤を流した後も気が抜けません。

愛犬がブルブルと体を震わせて、周囲に水しぶきを飛ばすことが多いからです。

近くの飼い主がびしょ濡れになるのは当然のこと、もし浴室から愛犬が出た後であれば、せっかく綺麗に掃除した部屋や廊下の床・壁・天井を、ずぶ濡れにされたという人もいるでしょう。

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多くの哺乳類が行う「ブルブルと体を震わせる」行動 / Credit:Canva

この水に濡れたイヌが体をブルブルと震わせる行動は、研究者たちに「Wet dog shakes (WDS)」と呼ばれています。

WDSは、イヌを含む多くの哺乳類で見られる行動であり、体中の深い皮膚から水やその他の刺激物を取り除く役割を果たしています。

特に、背中や首は動物たちが自分で舐めることができない領域であり、WDSの働きが重要です。

しかし、これまでWDSを引き起こす神経メカニズムは研究されておらず、イヌや他の動物たちがどのようにして体をブルブルと震わせているのか分かっていませんでした。

そこで今回、ギンティ氏ら研究チームは、濡れたマウスがどのように体を震わせるのか調べることにしました。

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