ウズラ細胞と培養技術でフォアグラを再現!香港で販売予定
培養肉とは、動物の可食部の細胞を組織培養することで得られる食用の肉です。
動物を犠牲にしないこと、土地利用の効率化、環境配慮などのメリットがあり、2010年代から商業化に向けた動きが本格化しました。
2023年には、アメリカ食品医薬品局(FDA)が培養鶏肉の販売を承認しています。
そしてオーストラリアの食品会社Vowは、この培養肉の技術を導入することで、フォアグラの生産問題にアプローチしています。
彼らは強制給餌でフォアグラを作る代わりに、実験室でフォアグラに似た食材を作ることで、人々を楽しませたいと考えているのです。
Vow社が開発する培養フォアグラ「Forged Gras」は、正確にはフォアグラとは異なっており、日本産ウズラの細胞を使用しています。
これに植物由来の脂質とソラマメ由来のタンパク質、香料を組み合わせました。
実験室で79日間の培養プロセスを経て作られており、従来のフォアグラのように、動物が犠牲になることはありません。
そして、このように作られた培養フォアグラについて、Vow社は「脂肪肝の食感と、繊細で野性味のある風味をもつ」と表現しています。
写真にあるように、この培養フォアグラを使って、ソテーやパテ、裏巻きなどを楽しむことができます。
この培養フォアグラは、今後、これまで培養肉の認可が下りていなかった香港で新しく販売される予定であり、今後、フォアグラの代替品として活躍していく可能性を秘めています。
もしかしたら今後、フォアグラ以外にも、「倫理的に際どい食材」や「希少な食材」を「培養技術」によって楽しめるようになるかもしれませんね。