数学者が「新しい種類の無限」を発見!
数学者が「新しい種類の無限」を発見! / Credit:Canva . 川勝康弘
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数学者が「新しい種類の無限」を発見! (2/2)

2024.12.11 17:00:09 Wednesday

前ページ無限には多くの種類が存在する

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「新しい無限」は既存の数学の常識を覆す

現在、無限の大きさを階層的に整理する際、大きく3つの領域に分けられています。

1番下(第1領域)には、通常の集合論の公理に従う無限数が含まれます。

ここには、カントールが扱った自然数や実数といった「基本的な無限」が存在します。

1番上(第3領域)には、選択公理をはじめとする標準的な集合論の公理さえも崩壊させてしまうほど巨大な無限数が存在します。

研究者たちは、この領域を「カオス」と呼んでいます。

一方で、ほとんどの無限数は、この2つの間に位置する「第2領域」に収まります。

そこでウィーン工科大学の研究者たちは、「エグザクティング・カーディナル(exacting cardinals)」と「ウルトラエグザクティング・カーディナル(ultraexacting cardinals)」という新しい無限を階層の中に当てはめようと試みました。

すると驚くべきことに、それが不可能であることが判明します。

この結果は、従来のHOD予想に反するものであり、新たな無限が従来の無限の階層構造に収まらず、その枠組みを超える特異な性質を持つ存在である可能性を示しています。

物理学に例えるなら、相対性理論に従わない物体や、標準モデルを超える新素粒子に似た存在の発見に近い偉業と言えるでしょう。

この発見は、無限の概念が単に「大きくなる」だけでなく、予想外の飛躍やねじれを含むことを示しています。

新たな発見は従来の無限のヒエラルキーの概念を覆すものでした
新たな発見は従来の無限のヒエラルキーの概念を覆すものでした / Credit:Canva . 川勝康弘

研究者たちも「これらが今までの公理体系(第2領域)内で依然として他の公理と両立しながら最上部に位置するのか、あるいはカオス領域(第3領域)に隣接し、第2領域の上に新たな『第4領域』を築くのか、現時点では分かりません」と述べています。

さらに、この発見は数学を超えた分野にも波紋を広げる可能性を秘めています。

無限の理解は哲学においても極めて重要であり、これまで無限の階層構造は数学的真理へと至る重要な道筋として機能してきました。

しかし、今回の研究はその階段を揺るがし、無限に対する根本的な問いを新たに提示しています。

「無限とは何か」「無限の全体像を捉えることは可能なのか」といった問いは、哲学や物理学の視点を交えたさらなる探求を促すでしょう。

無限の物語はまだ終わっておらず、この発見は新たな章の幕開けを告げてるのかもしれません。

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数学者が「新しい種類の無限」を発見! (2/2)のコメント

連続体仮説は現在も解決されていないと本文中に記されていますが、これは明確に誤りで、連続体仮説は一般的な集合論の公理からは独立である、すなわち、集合論の公理に連続体仮説を加えても、集合論の公理に連続体仮説の否定を加えても、いずれの場合も矛盾を引き起こさないことが証明されています。

    どちらにしても無矛盾だから未解決と表現したのかなぁ?
    証明されているのは肯定も否定もできない命題である、要は解決できないってことですよね

    タラちゃん

    π=ei∞は何か意味があるでしょうか?

    珍みゃ

    「順番に数字を付けて順に呼ぶことのできる対象」と「順番を付けても意味のない対象」を同じ体系の中で比較できる様な新しい数体系の構築とか?(何言ってんだ俺)

通りすがり

⋯⋯ほう。

    ゲスト

    つまりはそういうことだね⋯。

キャベツマン

無限サラダの無限は第1の無限ですか?

物理学のM理論も微積分の組み合わせで物理宇宙が11次元まで存在し残りが数学的な宇宙と解釈しますね
カオス理論のカオスは11次元の外と内両方に現れる存在で微積分の壁を突破してくるので概念上だけに現れる特異点ですね
重力はある程度解明されるでしょうがカオスのような無限項が最後の難問になるのは容易に想像がつきます

ば塩

「最後のケタが存在する可算無限(ℵ0)」と「最後のケタが存在しない無理数を含む実数によって構成される無限」とあるが、前者の意味がよくわからん。加算無限の最後のケタとなんだ?俺の知能では理解できない・・・

    若ハゲプリンス

    よう分からんけど数字的には上限のある数値だけど大きすぎて無限に等しいって事じゃない?

    前者は100000…..0←これと
    後者は100000…..(際限無し)

    的な?疑問点違ってたらすまぬ…

    前者は有理数体(分数)のことですね。
    最後の桁と言ってるのは、小数で表示した際の循環を言っているのだと思います。単に有理数体とか分数全体と言ったほうが伝わる気がしますが。

ゲスト

バインバインで増える栗まんじゅうは、最小ランクの無限だったのか。

工学研究科電子工学の修論で何故か数学沼にハマったやつw

 学部、院と多値論理を研究したのですが、何故か数論の世界にハマって抜け出せなくなりそうになった。
 その中で出てきた全順序(平たく言えば順番に並んだ数)と半順序(単純に大小関係を定義できない数)の関係を思い出しました。

スパイク

数学が難しくなるのは文章を書いた人の言語化能力によると思うのですが、
この文章内ではアレフ登場のところと「そこでウィーン工科大…」の辺りからの2箇所で飛躍が見られ難解度を上げてしまっています。
もう一度推敲するか、参考文献への理解を深めてから掲載していただきますようお願いいたします。
※専門家じゃない人向けに記事を書いていただける趣旨があればの話です。

    中俺オヤジ

    同感です。途中の二つの概念のについて説明なしでの、飛躍についていけなかったです。

ゲスト

ワシの無限は108まであるぞ!

ゲスト

おらワクワクすっぞ

ゲスト

誰に読ませたい記事なんだ、、、

親方様

無一郎は無限の『む』です。だから、無限は無一郎の『む』なのです。数学的ではなく、ジャンプ的な思考です。残念ながらサイヤ人も無限の『む』になろうとしています。アラレちゃんはある意味無限です。何処にでも出てきます。あと、アンパンマンとドラえもんとちびまる子ちゃんとサザエさんもある意味無限です。

ゲスト

無限同士の闘いにまったく新たな無限が現れたとか、ジャンプの最強のインフレみたいで、超楽しい♪

ゲスト

無限キャベツが一番で他は二番煎じだと思う。
でも新しい無限はこの並びに入らない。

Stmachache

サラダが無限にあると言うよりは、サラダを無限に食べられるという意味なので、無限なのは食欲または胃袋の大きさと考えるのが自然かと。その場合、食欲は不可算であると思うので、、、どこなんだろう。。。また、胃袋が大きいという言葉は、実際の胃袋を指している訳ではなく、沢山ものを食べられるという意味の慣用句として使われているケースが多いと思う。この場合も不可算な気がする

ゲスト

宇宙猫みたいな顔になりそう

mu

以前どこかの記事で、+側の無限と- 側の無限を足し合わすと、-1 のなるので – 側の無限の方が大きいと書いてあったようですが。。。

のなめ

で?
無限は無限でしたっと…

    ななめねこ

    アレフゼロとアレフの区別は、πや
    eなど超越数を、調べれば、わかりやすい、と、おもいます、ルート2は、
    代数的整数なので、たとえ小数点以下が、無限に続いても、アレフゼロ可算無限に、よってると。かつてコーエンの連続体仮説という本を70年代読んで腑に落ちたんですが、以後の展開はどうなってるでしょうか。コンウェイ数てのもあったな。

ゲスト

無限の種類や階層も無限だったらどうするんでしょう。
と言うか、数的空間の広がりとは最後には「数の定義」しか残らず、それ以外の全ての公理を潰すようなところまで広がっているのでしょう。そして「数」を再定義もしくは定義すらできない空間に隣接することになるのでしょうか。
いずれにせよ、近代数学はそういうレベルにまで足を踏み入れつつあるのは間違いないと思います。

    ゲスト

    たぶんそうなんでしょうね
    定義すらできないものってなんなんでしょう
    全ての外にあるもの、ってまた無限っぽいですね

ゲスト

新しい種類の無限を解説してほしかったのに前置き延々して最後に新しい種類の無限はこれらに当てはまりませんでした!終わり!って記事としてどうなんですかね

ゲスト

「研究チームはまた、これらの新概念が現代数学の基礎理論である集合論(ZFC)と矛盾しないことも示した。」
ここが相当怪しいけど。

ゲスト

無限の世界へようこそ

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