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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
space

もし人間が「光速」で宇宙空間を飛べたら、どんな世界が体験できるのか?

2024.12.15 17:00:19 Sunday

映画『スター・ウォーズ』に登場するハン・ソロとチューバッカの愛機「ミレニアム・ファルコン」は、ハイパードライブという推進システムを起動させることで、光速を超えた移動ができます。

しかし私たち現代人は最新テクノロジーを持ってしても、光の速さで移動する技術をまだ実現できていません。

「まだ実現できていない」というより、光速で移動することは「物理法則的に不可能」とされているのです。

けれど今回はそうした限界を取っ払い、「もし人間が宇宙空間を光速で移動できたら、どんな体験ができるのか」を空想科学してみましょう。

What would happen to the human body moving at near lightspeed? https://www.popsci.com/science/lightspeed-human-body/ What would happen if you moved at the speed of light? https://www.space.com/what-would-happen-if-you-moved-at-speed-of-light What Would Happen If You Traveled At The Speed Of Light? https://www.scienceabc.com/pure-sciences/what-would-happen-if-you-traveled-at-the-speed-of-light.html

質量があるものは「光の速さ」に到達できない

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光の速さは特別/ Credit: canva

光の速さはとても特別です。

その速さは秒速29万9792キロメートルに達し、わずか1秒で地球を7周半もできます。

では、光速の一体どこが特別なのでしょうか?

その秘密は天才物理学アインシュタインが1905年に提唱した「特殊相対性理論」によって明かされました。

アインシュタインの理論によれば、「質量のあるものは光速に到達できない」というのです。

それはなぜでしょう?

特殊相対性理論に基づくと、質量のある物体を加速させていくと、それにつれて質量もどんどん増大していきます。

そして光速に達する頃には、物体の質量は無限大となっており、物体が光の速さを保つのにも無限大のエネルギーが必要になります。

無限大のエネルギーなんて供給することはできませんから、ちょっとでも質量があるなら光速に達することはできないのです。

ただ非常に軽い物質なら光速に限りなく近づけることはできます。

実際に人類はLHC(大型ハドロン衝突型加速器)を使って、粒子を光速の99.99999896%まで加速させることに成功しています。

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LHC(大型ハドロン衝突型加速器)/ Credit: canva

しかしこれは裏を返せば、「質量0のものだけが光速に到達できる」ことを意味しています。

この場合の質量0のものとは主に「光子(フォトン)」を指します。

光子は質量を持たない粒子です。

質量のあるものは加速するためにエネルギーが必要ですが、質量0の光子は加速するためにエネルギーが必要ありません。

しかし逆に光子は停止することもできません。

アインシュタインの相対性理論によると、質量0のものが光速以外のスピードで移動すると、運動量やエネルギーの関係が崩れ、物理法則が崩壊してしまいます。

つまり、質量のない光子は常に光速でしか移動していられない存在なのです。

止まることができないという点では、むしろ不自由と言えるかもしれませんね。

ここまでを踏まえて、すごく現実的な結論を出すと「質量のある生身の人間はどうあがいても光速では移動できない」ことになります。

ただ、それで終わりではつまらないので、ここでは物理法則を無視できる”魔法の力(=空想)”を使って、人間をどんどん光の速度まで加速させてみましょう。

次ページ「光の速さ」は誰が見ても一定、そして時空はゆがむ

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