ダイエットが上手くいかない理由と対策
カロリー制限を続けているのに体重が減らなくなるのは、摂取カロリーを減らすと体の基礎代謝量も減少するためです。
これは体の適応によって生じる現象であり、体が「エネルギーを節約してしまう」ことから生じます。
また、カロリー制限は、代謝や食欲に影響を与えるホルモンを変化させる場合があります。
例えば、カロリー制限によって甲状腺ホルモンが減少し、代謝が低下します。
また胃から分泌される食欲ホルモン「グレリン」は、摂取カロリーが減ることで増加していき、食欲を刺激してより多くのカロリーを摂取するよう脳に信号を送ります。
グレリンのレベルが高くなると、体が常に空腹を感じるため、低カロリーの食事を維持するのが難しくなります。
キレ食いして、せっかく制限してきたカロリーを大量に摂取してしまうことに繋がるのです。
他にも、血糖値と脂肪の蓄積を調整するインスリン、ストレスホルモンであるコルチゾールなどが、私たちのダイエットを妨げるような働きをします。
では、このような生理的な適応に、どのように対処すべきでしょうか。
クレモナ氏は、「筋肉量を維持することが不可欠」だと述べています。
筋肉は脂肪組織に比べて、安静時に多くのカロリーを消費するため、代謝率の低下を緩和するのに役立つのです。
そのため、ダイエットと平行して筋トレを行ったり、タンパク質をしっかりと摂取したりすることが大切になってきます。
また、極端なカロリー制限をしない(1日あたり200~300kcal程度のマイナスに留める)ことや、栄養価の高い食品を摂取すること、規則正しい食事も、ホルモンの影響に対処するのに効果的です。
では、「毎日、カロリーの計算などしていられない」という人は、どうやって脂肪だけを減らしていけるでしょうか。
クレモナ氏は、カロリーを厳密に計算しなくても、以下の方法で摂取カロリーを減らせるとアドバイスしています。
- 小さめの皿を使用し、食事量を減らす
- お菓子を果物に、炭酸ジュースを水に置き換える
- ゆっくり食べ、食事中は食事だけに集中する
- 食事中に水を飲むことを意識し、満腹感を高める
- 食事できる時間を定める(午後8時以降は食べない、など)
いずれにせよ、体重を効果的に減らすためには、いきなり断食したり、1000kcalマイナスにしたりするような無茶な食事制限ではなく、ちょっとした食生活の変化を継続させるべきです。
ですから、正月太りが気になっても焦らないでください。
着実に痩せるためには、食生活を少し見直し、それを数カ月~半年続けてみましょう。
上手くいけば、体重を元に戻すだけでなく、より健康的なスタイルを手に入れられるはずです。