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Credit: Cryonics Archive
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人類で最初に冷凍保存された男「ジェームズ・ベッドフォード」 (2/2)

2025.02.08 10:00:58 Saturday

前ページ人体冷凍保存を決意するまで

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冷凍保存された世界初の人物となる

ジェームズが冷凍保存について調べ始めた1960年代当時、人体冷凍保存の技術は一部の科学者たちによって注目され、研究が始められた頃でした。

死期が近づく中、ジェームズはアメリカ冷凍保存協会(ACS)の会長ロバート・ネルソンとコンタクトを取ります。

ネルソンはジェームズが求める「寿命延長の技術」を提供できると伝えました。

そして1967年1月12日の午後1時15分、ジェームズは「なんだか気分が良くなってきた」とのつぶやきを最後に、静かに息を引き取ります。

冷凍保存協会の医師たちは直ちに行動を開始しました。

彼の体が蘇生不能になってしまう前に、冷凍保存のための準備を完了させる必要があったからです。

医師たちはジェームズに人工呼吸器を装着し、脳への酸素供給を維持しました。

続いて、血液は冷凍後に解凍すると膨張によって血管を傷つける可能性があるため、血液の代わりにジメチルスルホキシド(15%)と体液の組成に近いリンゲル液(85%)を混ぜた溶液を静脈に注入しました。

これらの準備が終わると、ジェームズの体は金属製の円筒形カプセルに収められ、葬儀場から冷凍保存施設へと運ばれました。

こうして彼は人体冷凍保存された世界初の人物となったのです。

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アルコー延命財団により引き取られたジェームズ/ Credit: Cryonics Archive

ただ、その後のジェームズの眠りは安らかなものではなく、頻繁に移動が繰り返されています。

アリゾナ州の施設で2年間保管されたのち、1969年にカリフォルニア州の冷凍保存施設に移されました。

その後、1973年に再び別の場所へと移送されましたが、次第に施設での維持管理が困難になります。

そこでジェームズの息子であるノーマン・ベッドフォードが1982年に父の人体を引き取り、南カリフォルニアの家族のもとで冷凍保存を続けました。

しかし最終的に、アルコー延命財団(Alcor Life Extension Foundation)が1991年にジェームズの管理を受け入れると申し出て、現在まで至っています。

ジェームズは冷凍保存から約60年が経過した今も復活の時を待っていますが、冷凍保存の専門家によれば「ジェームズの復活は難しい」と考えられています。

というのも当時の冷凍保存技術はまだ原始的なものであり、もし解凍したとしても、ジェームズの細胞を傷つけずに蘇生するのはほぼ不可能と見られるからです。

人体冷凍保存はジェームズが眠りについた後に急速に発展していき、細胞を傷つけることなく人体を冷却する技術が大きく改良されています。

ジェームズが無事に復活を遂げるには、未来における高度な解凍・蘇生技術の誕生を待つしかないでしょう。

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人類で最初に冷凍保存された男「ジェームズ・ベッドフォード」 (2/2)のコメント

ひの

死体の冷凍保存に過ぎない、と考えるなら、アイスマンのほうがずっと早いと考えることもできますね。

    ゲスト

    残念ながらアイスマンは遺体解剖されました。

     こちらも厳しい…。

キリり

氏んでからコールドスリープ…
解凍できても氏んだままでしょ!
ε- ( ̄、 ̄A)

魂って概念があるとすれば、
1回霊体であの世行ってそう
んで居心地良くて帰って来ない説ってか100年で足りるか?!
(˃̴̀ᄇॢ˂̴́ ∗︎)੭᷅ʊʊ

てるりん

現代版ミイラだね。
保存される人は、起こされるより前にエジプトのミイラ同様に粉砕されて畑に撒かれないことを祈っておくしかないね。

    ゲスト

    未来人に
    こんな方法で蘇生できるわけないよなーって言われるところまで
    ミイラにそっくりかもなw

    ゲスト

    ミイラも当時の最新技術と膨大なお金を使ってたわけだもんね。

ゲスト

ちなみに、クライオニクス(死後冷凍保存)に関しては日本人でもすでに処置を受けて現在眠られている方がいます

    ゲスト

    冷凍保存体を蘇生できたとしても、その記憶は維持されているのだろうか?活動を停止したニューロンは維持されているものだろうか?

やちよ

タダで生き返らせる事が出来るはずないし。
身内はみんな亡くなってるだろうし。
周りの人も別に今更こんなオッサンを生き返らせるメリット無さそう。

    ゲスト

    SF小説の夏への扉であったなそういうセリフ
    未来にボンクラどもを押し付ける技術だって

    ゲスト

    冷凍保存初の成功例が人類にとってどれだけ多大なメリットをもたらすかは考えるまでもない。
    少なくとも、これまで人類が発明してきた多くの退屈なものに比べたらその云百倍は価値がある。

    ゲスト

    どっかの誰かの受け売りかな?

魂は永遠に。 

人生は1回しか生きれないし、もし、この世に生き返ったとしてもどっちみち自殺するだけであって、幸せにはなれない状況になるでしょう。
人生って全ては魂が知っているのであって、我々が生きているのは写し鏡の魂の存在だけであり、車で例えると魂はエンジンであり、肉体はただの乗り物であるのです。
我々はこの世に生きている目的や目標は我々、人間が全てやっているのではなく、魂の想念(連想など)をそのまんまを写し鏡としてこの世に現れているのであるのです。
死ぬ怖さはこの世に対しての依存、やりたい事が出来なくなる、自分を失う恐怖です。しかしながら、肉体の錯覚であり、人生で生きている時の状況とは変わらないですよ。なぜなら、やりたい事や自分を失う事はないという事さえ理解して、人間じゃなく、魂として生きているだけで全ては理解し、死ぬ怖さを感じる事はないでしょう。

    ゲスト

    魂が有る世界線てことは、輪廻がある世界ってこと?
    だとしたら、次の生はミジンコかもしれないし虫かもしれない。そう考えると、今の生にしがみつこうと思う心情は分からなくもない。人間がまた人間に生まれ変われるなんて都合の良い話は無いのではないかな?

    とある仏教徒

    仏教では、人間に転生するのは爪の上の砂くらいの確率(おそらく地球上にある砂に対して)と言われています。だから、精一杯生きねば勿体ないと。
    動物や植物の生を何回も何回も繰り返し、やっと人間の生を受けても、畜生や修羅のような生き方を続けていれば次は畜生道や修羅道でしょう。魂は磨かねばなりません(その為の修行です)。魂を磨き前世や先祖からの因縁を断ち切れば、また人として産まれてくるかも。

ゲスト

人柱
技術的な貢献した人として名前だけでも生き残ってもらおう

ゲスト

解凍云々より、生き返らせる技術と末期癌を完全に治す技術も要求されるのかw

ゲスト

なんで魂がどうのこうの非科学的な話してる人がわらわらでてくるんだろう。
終いには謎の教えを説いてる人もいるし、怪文書だし。お呼びじゃないからスピ系サイトで勝手にやってけれ。
死後の説法してる人、生きてるあんたが言ってもな内容ですわな(人の人生決めつけるほど人は人の上に非ず)

さて、科学的話に戻りますと
僕個人は細胞を傷付けない冷凍保存アリだと思います。細胞の研究も盛んに行われていますし、将来的には不老(老いにくい)や細胞の若返りもSFではないレベルにいずれは到達すると思います。(500年生きてる可能性があるサメも存在するしね)
もし僕がコールドスリープするなら若返りまで行える技術レベルまで起こさないでほしいものですね笑
まぁ冷凍保存の維持費と天秤かけられてしまうとどうしようもないですが笑
ビル・ゲイツなら数千年先の未来でも見られるかな?笑

    ゲスト

    思考をやめ、魂の存在を一概に非科学的と決めつける行為こそが最も非科学的であるという皮肉

    ゲスト

    自分を持ち上げる人は決まってこういう臭い文章書くよね

    ゲスト

    科学を極めようとすると神仏の御業にきづくという話を知らないのかな?

    ゲスト

    もし未来で不老や細胞の若返りができたとして、その時には死者数がどんどん減って人類はどんどん増えていくわけで、そんな中コールドスリープなんかして誰が起こす?人はこれ以上増えなくていい!って電源切られてしまいでしょうな。
    あ、あと、500年生きてる鮫は呼吸や代謝がめちゃくちゃ遅いらしいのでこの話とは無関係ですね。昔読んだ論文に『一生に打つ心臓の鼓動の数はほとんどの生物において同ジ程度だ』みたいなのあったのでそういうことでしょう。

    ゲスト

    まあ魂がどうこうゆってる宗教野郎はほっとけばいいので
    個人的には、冷凍保存など科学的に馬鹿げている。老朽化して限界を迎えた肉体を保存して何の価値があるの?それがあると思うのは本人だけ。
    純粋に科学的なことを考えるなら、新しい肉体を作ればよい。永遠に生きたいと言うなら肉体を載せ替える技術を確立すれば良い。冷凍保存というのは、それができない現状において時間を稼ごうとする無意味で見苦しい行為である。将来肉体の載せ替えが出来るようになったとしても、冷凍保存からの蘇生など誰も研究せんでしょう。なぜなら現存する数十例を除いてそのようなことをする意味がないから。

ゲスト

74歳にして末期癌で息を引き取ったお爺さんがいつの日か解凍されて癌が根治したとしても、肉体寿命はそれほど残っていないでしょう
誰一人知らない人に囲まれて、彼は何を思って第二の余生を過ごすのか

    ゲスト

    成功する可能性が極めて低いからこそ冷凍保存を望む末期ガンの老人を選んだのだと思う。若者相手にこんな実験出来ないよ…

日本で250億円程の寄付がありましたね?

こういう所に寄付して欲しいよね?そう思わない?割愛して言えばそれにつきる。(笑)

    ゲスト

    お前が250億稼いでからやれ

    ゲスト

    何もしていないのに口だけ達者だな

ゲスト

遺伝子が残っていればクローンで再生と言う手も有るけど遺伝子的に同一人物ってだけで記憶や意識は引き継げないし
むしろこっちが残せるなら身体なんて何でもいいわけで…

真実はこうだ

魂?笑っちゃうね、死んだら無ですよ、無!!
無って何かって字そのまま、人間誰しもが寝ますよね、それが無に近い状態、呼吸と脳が活動していたら必ず目が覚めますよね、呼吸は人口呼吸器付けていれば活動していますが、脳動活動が無ければ(体を動かす脳の活動などの1部など)死んでいると動けないでしょう、しかし耳などに必要な脳が生きていれば聞こえているでしょうし。
すべての感覚、指令などの脳が完全に活動停止ならそれは死ですよね。人口呼吸器を外しても付けていても死んでいます、冷凍保存で復活なんて夢があっていいと思いますが
、無駄ですわ笑
死んでいる肉体を保存しているだけですよね。私が思うに脳の記憶やら要は脳そのものではなく脳の情報を残せればいいだけでは?チップなどに。肉体はそれこそターミネーターのような機械、人口人体のような、もしくはパソコンのUSBにさして専用アプリとかで現実の人間と会話ができたりなどの方が現実的にあり得るのではと思ってます。冷凍保存だの氷河のマンモスじゃあるまいし、魂だの死への心の不安軽くするような戯言なんて漫画の世界ですよ。

たいむ

凍らせてしまうと、脳のニューラルネットワークが破壊されるから意味がないと思う。

冷却系ではなく、遺伝子の電子化とデータ化した遺伝子からの再現技術。脳のニューラルネットワークのデータ保存技術に力入れるべきだと思う。

最大の問題点は、記憶の保存、再生技術だと思う。物理的なニューラルネットワークをどう保存するのか、そして、それをどうやって再現するのか?

人体保存系として冷却系には未来はないと思う。

ゲスト

転生した昔の恋人と出合って恋人の前世の記憶が蘇りなんだかんだでチート能力が発現して時を越えたロマンスが始まるのが最近の風潮。

ゲスト

アナタハ、コノトナエヲシンジマスカ?

ゲスト

意識がなくなった後に酸素供給して冷凍したって凍った死体になるだけな気がするし
意識が飛ぶような状態からの復活っていわゆる死者蘇生の領域に入るような…

放浪者

魂的な考え方とかそういったものは、ひとまずおいておくとして、コールドスリープの実験はよく思いついたなと思いますね。
この方がやらなければ、できるのでは?っていう考えや行動に移されづらいので仮に蘇生不可だとしても、こういった考えが生まれるきっかけになった事は凄いと思います。
個人的には、やってやれないことはないのでは?と思うくらい今技術が進歩し続けていると思っています。詳しくはありませんが…
魂的な話で言えば、お亡くなりになられたあとの蘇生は厳しいのでは?とも思います。ただ、目的が細胞だけに着目したものであれば、動くことはできずとも、細胞は問題ない。と判断できるものになるかと、、、。
そこから先は、なら次はもっと大きい部分、内臓、血液、脳って感じで範囲を広げていけるかもと思います。
もしかすると、近い未来に臓器移植手術で100年前の方の臓器が入って活動してる人なんて状況もあり得るかもしれませんね!

くまー

コールドスリープってよくSFとかで見るからホントにやった人おるんか、って拍手したい。たぶん冷凍焼けしちゃって蘇生はできないだろうけど、失敗を繰り返して技術へ発達するわけだからね。
カチコチに凍らせるよりも、くまの冬眠に近い方が長持ちはしないけど蘇生の可能性はありそうだって話聞いたことあるね。
献体をこういう技術開発に使う時代って意外と近いような気がする。私は脳死状態になったら、臓器移植していいよ、って意思表示してるけど、コールドスリープの実験に使われるのも悪くないね

ゲスト

そもそも冷凍後に蘇生できた事例はあるのかね
イタリアで首を切断して保存するとかもあったと思うが

ゲスト

まずなんのために残すのか。なにを思ってすると決めるのか
当人がやりたいならそれはご自由にだから口出すつもりはない。
それを別にしても魂や意識とかが引き継がれるのか、傷つけず解凍できるのか。
そこがはっきりしない限りは自分はするつもりはないし、前者はどれだけ経ってもできる気はしない。
ボルツマン脳とか水槽の脳だとかいう説もあるし。

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