まるで「ミルク中毒」 白濁した血液の理由とは?
通常、脂肪は消化・吸収されると、血液中を「カイロミクロン」という微細な粒子によって運ばれます。
しかし、今回のケースでは、摂取した脂肪の量が多すぎて処理が追いつかず、血液中に蓄積。血漿が「牛乳のように白く濁る」状態になったのです。
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医師らが男性の血液を調べると、トリグリセライド(血液の中の脂肪の1つである中性脂肪)が非常に高い数値を示していました。
高トリグリセリド血症では、1000 mg/dLを超えると膵炎のリスクが高まると言われていますが、今回の男性の血中トリグリセリドは驚異の16713 mg/dL(通常の100倍以上)。
これほどの数値は、医学的にも非常に稀なケースです。
検査では、血糖値も1350 mg/dL(通常の約13倍)と異常に高いことが分かりました。
治療の第一歩として、医師たちは輸液とインスリン療法を開始。
さらに、余分な脂肪を取り除くために、血漿交換療法(Plasma Exchange, PE)を2回実施しました。
この治療によって、血中のトリグリセリドを除去し、許容レベルまで低下させることに成功しています。
治療後、男性の血漿は通常の透明な状態に戻り、無事に回復したようです。
この事例は、牛乳の過剰摂取がどれほどの健康リスクを伴うかを明確に示しました。
牛乳自体は栄養価が高く、適量であれば健康に良い飲み物です。
しかし、どんなに健康的な食品でも、「飲みすぎ」は体に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に脂肪や糖分を多く含む食品を過剰に摂取すると、代謝が追いつかず、深刻な健康リスクを引き起こす可能性があると分かりました。
やはり何事もバランスが大切なのです。