加工赤身肉を食べすぎると認知症になりやすい
加工赤身肉が健康に悪いという話は、すでによく知られています。
これまでの研究でも、ベーコンやソーセージ、ホットドッグ、サラミなどの加工肉が心臓病やがんのリスクを高めることが指摘されてきました。
しかし「脳」に与える影響についてはあまり注目されていませんでした。
これまでの研究では、高脂肪・高塩分の食事が高血圧や動脈硬化を引き起こし、それが脳卒中や認知症につながる可能性があることが分かっています。
また肉の加工過程で生じる有害な化学物質が神経細胞に悪影響を与える可能性も指摘されています。
それでも実際に赤身肉を長期間摂取することで、認知機能がどの程度低下するのか、またどのような影響があるのかについては、明確なデータが不足していました。
そこでハーバード大学の研究チームはこの問題を科学的に解明するため、大規模な調査を実施しました。
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研究チームは米国の大規模データを活用し、調査開始時点で認知症を発症していない13万3771人の参加者の食生活と認知機能の関係を分析しました。
具体的には、すべての参加者は2〜4年ごとに日々の食事内容を回答する追跡調査を実に43年間続けています。
参加者がどれだけの加工赤身肉を食べたかを評価し、それぞれの摂取習慣を「低レベル(1日あたり約8.5g以下)」「中レベル(1日あたり約8.5g〜20g)」「高レベル(1日あたり約21g以上)」に分類しました。
それから調査開始時点で認知症を発症していなかった人々のその後の認知症発症率を比較し、。認知機能の評価には記憶力や言語能力などのテストを実施しています。
その結果、加工赤身肉の摂取量が多い「高レベル」の参加者は「低レベル」の参加者に比べて、認知症リスクが13%増加することが判明しました。
また記憶力や言語能力の加齢が加速していることも明らかになり、加工赤身肉を食べすぎることで認知機能の低下スピードが早まることが示されたのです。
加工赤身肉には脂肪分や塩分、有害な化学物質が多分に含まれており、これが脳の炎症を起こすることで認知機能の低下を加速したと考えられます。