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「若い頃は楽しかったのに…」ゲームが面白く感じなくなる理由 (2/2)

2025.02.15 20:00:12 Saturday

前ページ無快楽症とは? 快楽を感じにくくなる脳のメカニズム

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どうすれば「新鮮な感動」を取り戻せるのか?

繰り返される刺激に慣れてしまうの当たり前のことであり、年齢とともに報酬系が変化していくのは自然なことです。

では年を取ると、もうゲームを徹夜で楽しむというような体験は出来ないのでしょうか?

悲観的になってしまいますが、科学の研究では、こうした脳の変化は不可逆的というほど強固なものではないと考えられています。

そのため脳の可塑性(柔軟に適応する力)を活かせば、若い頃のような感動を取り戻すことも可能だと考えられています。

この変化に必要なことは次のようなものだとされています。

  1. 新しい体験を意識的に増やす
    • 未知のジャンルのゲームや新しい趣味に挑戦する。
    • 過去にやったことのあるゲームでも、新しいプレイスタイルを試してみる。
  2. 運動を習慣化する
    • 軽い有酸素運動は脳の可塑性を高め、報酬系の活性化を助ける。
    • 特にリズミカルな運動(ウォーキングやダンス)が効果的とされている。
  3. 生活リズムを整え、十分な睡眠を確保する
    • 睡眠不足は報酬系の働きを低下させ、快楽を感じにくくする要因となる。
    • 規則正しい生活を送ることで、脳の健全な機能を維持する。
  4. 社会的なつながりを大切にする
    • 他人と共有することで、娯楽や体験がより楽しく感じられる。
    • マルチプレイヤーゲームや協力プレイを活用するのも一つの方法。
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

生活習慣も脳の活動に影響しますが、重要なのは新しい体験に意欲的になることです。

年を取るほど考え方が保守的になり、慣れ親しんだ方法以外を試すことが億劫になってしまいがちです。

「ゲームは1人で遊ぶのが当たり前」「ネット上で人と遊ぶのはなんか怖い」とマルチプレイを避けたりする人も多いかもしれません。

新しいジャンルのゲームに手を出すことが億劫で、ずっと同じタイプのゲームを遊んでしまうということもあるでしょう。

年を経るごとに「どうせやってもつまらないよ」と手を出さずに食わず嫌いしているジャンルも多いはずです。

しかし、そうした行動を取ってしまうのは、先に述べたように視床の室傍核と側坐核の結合が強化されたことで、新しい体験への期待値も下がっている影響だと考えられます。

そのため新しい体験に手が伸びず、結果的に何をやってもつまらないという感覚に陥ってしまっているのです。

年齢とともに変化する「楽しみ」の仕組みを理解しよう

年齢とともにゲームが退屈に感じるのは、単なる飽きではなく、脳の報酬系の変化による可能性があります。

既存の体験に慣れてしまって、昔のような快感を得られなくなるというのは当然の変化です。

しかし、これは必ずしも不可逆的な変化ではありません。脳はもっと柔軟に出来ており、新しい楽しみや感動を取り戻すこともできるのです。

問題は既存の体験で報酬系が満たされてしまったことで、新しい体験に対しても「どうせ楽しめない」という期待値の低下が生じていることです。

「最近ゲームがつまらなくなった」と感じる人は、新しいジャンルに手を出す、やったことのなかったマルチプレイに挑戦する、など新しい体験を取り入れたり、脳を刺激する習慣を持つことで、再び楽しみを見出すことができるかもしれません。

【若者の充実離れ】若者の退屈感がこの10年間で急増している

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「若い頃は楽しかったのに…」ゲームが面白く感じなくなる理由 (2/2)のコメント

トーフボーフー

なるほど、そういうことですか。どうりで同じ年代の友人がゲームをしなくなった理由がわかりました。自分はもうダクソのようなゲームは、流石にクリア出来ませんが、いまだに新しいゲームを探しています。最近はインフィニティニキに、こんな切り口があったとはと思ってる高齢者になったばかりの爺ですわ。

オジサンのぼやき

機能的に理解することは良い事だけど、精神的な成長の結果として「卒業」することも大切。

「いつまでも若々しい≠幼稚」を認識できないと、周りはどんどん成熟して自分だけ取り残される。

精神格差は経済格差より、残酷で絶望的な壁として立ちはだかる。

同様に「成熟≠老い」というのは、ある意味生存本能に根差している。

自分や世の中を俯瞰することは、エコーチェンバーからの脱出や、事実を客観的に捉える事に役立つ。

公式情報や一次情報としてエビデンスがあっても、作られた事実であることも多い。

フェイクニュースや切り取りを見抜くのは、単純なルールベースでは失敗する。

今の日本は…老いも若きも、苦労しそうな人が多過ぎてちょっと心配だな。

ゲスト

見た目はおっさん、感性は子どものままとか怖いよ

通りすがり

神経科学系の本や論文を読み、こういった記事も読んで、経験的な自分の性質も、ある程度理解した上で、新しいことをはじめて脳を刺激したり、目指しているものを習慣化して、進むべき道へ誘導してもいますが、自分の資質では、『好きでやっている』人には太刀打ちできません。彼らは強い本能的欲求で行動しているのでしょうからね。人はそれを才能と呼ぶのでしょう。

自分が目指すものの才能を持ち合わせていない私は、自分の習慣や行動を変えることでしか進むことはできないようです。

ゲスト

ゲームと言っても色々あるからなぁ
ここを見に来るほどの人におすすめできそうなのは、
Oxygen Not Included/ Cult of the Lamb/ RimWorld/ Factorio/ Hades
あたりだろうか?
何となく傾向的に

数独やピクロスみたいな脳トレ風なゲームは、一時期やり込んだけど、何となく自動で解くプログラムを作ってみた後、虚無感に襲われてできなくなったな
要は知りすぎたことで遊ぶ意義を失ってしまったような状態だが、これも無快楽症に該当するんだろうか

ゲスト

50だけど面白いゲームは面白いと思う。
フロムゲーも面白いし、スーパーマリオブラザーズも35年ぶりにやったけど面白かった。昔やれてなかったロックマンとか。
労働で疲れ切ってるだけじゃないの。。。

ゲスト

幼稚なことから卒業といってるけど、見方かえりゃ新しいことを受け入れない頑固者だし
知らないことを知ってると思い込んでいる盲目な人の可能性もあるけどね
ラジオで科学とかの子供相談やってるけど、当たり前の中に矛盾や疑問を感じるというのは難しいってのを痛感している
その世界や視点を持つ人にしか分からない謎や神秘、面白さを否定するのは賢くなったと言えるのかな
あったらいいなやこれがあれば面白いぞを実現させた人たちは、時には子供のような発想を持ち、実現できる知恵を持つ大人であり、あきらめない青年のような複数であったり矛盾をもつ自分を統合させた一人前の人間だったんじゃないかな

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