サメの鋭すぎる嗅覚が弱点になる?
海中で血液の臭いを感知すると、わずかな濃度でもすぐに察知し、獲物の居場所を突き止めます。
これまで、サメの嗅覚はほぼ完璧なセンサーのように考えられていました。
しかし今回の研究は、その優れた嗅覚こそがサメの弱点になり得ることを示唆しています。
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その弱点を突く道具を持っているのは「コウイカ」です。
食材としても人気のコウイカは捕食者から逃げる際に黒い墨を吐き出します。
この墨は視覚的にサメの目をくらませるだけでなく、化学的にもサメの嗅覚をかく乱する可能性があるのです。
過去の研究では、コウイカの墨に含まれるメラニンやタウリンといった成分が他の魚の行動に影響を与えることが示唆されていました。
一方で、それがサメの嗅覚にどう作用するのかは、これまで詳しく研究されていませんでした。
この疑問を解明するために、研究チームは調査を行いました。