危険度はトリノスケール3
![2032年にツングースカ規模の小惑星衝突が起こる確率が2倍に](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/35a6ff3d12be1450aa4a32bd1949225f-401x600.png)
今回、NASAの惑星防衛調整局(PDCO)が採用するトリノスケールによる評価では、2024 YR4はレベル3と位置付けられています。
トリノスケールは、地球近傍天体が地球に衝突する可能性と、その衝突によって引き起こされる被害の大きさを、0から10までの11段階で示す指標であり、科学者だけでなく一般市民にもリスクの度合いを直感的に伝える目的で開発されました。
この尺度に基づく評価表では、レベル3は「注意が必要だが、現時点では広範囲にわたる混乱を引き起こすほどのリスクはない」と定義されており、衝突した場合でも、巨大な数キロメートル級の天体による地球全体への被害ではなく、主に局所的な被害が懸念されます。
実際、もし衝突が実現したとしても、2024 YR4は恐竜絶滅の原因とされた数キロメートル級の巨大天体のような全地球的な破滅を引き起こすものではなく、人口密集地に落下した場合に限定して、数百キロメートル圏内で大きな被害をもたらす可能性があります。
過去の事例では、(99942) アポフィスが一時的にトリノスケール4に達したものの、その後の詳細な観測により安全な軌道であることが確認され、最終的にはレベル0に再評価されました。
同様に、(144898) 2004 VD17もかつてはレベル2以上の評価を受けた天体として記録されましたが、これらの例は発見から数十年前のケースであり、最新の天体観測技術ではほとんどの初期高リスク天体が最終的に安全と判断される傾向にあります。
このため、トリノスケールで3以上の評価が継続的に維持されるケースは非常に稀であり、2024 YR4が今回の代表例として特に注目される理由となっています。
2032年以前の2028年には、2024 YR4が地球から約800万キロメートルの距離で接近することが見込まれており、この接近観測によって小惑星の軌道や物理特性がより正確に把握され、最終的な衝突リスクの再評価が進むと期待されています。
また現在、2024 YR4 が衝突する可能性がある地域は、太平洋の中央アメリカ沖から南アメリカ大陸北部、大西洋中部、アフリカ大陸中部、そしてインド周辺までの帯状の地域とされています。