人間は「長距離ランナー」として進化してきた
そもそも人間は短距離よりも、長距離を走るように進化してきた動物だといわれています。
たとえば、他の動物と比べても、発汗による体温調節機能が非常に優れています。
犬や馬のような動物は速く走れるものの、体温を下げるために頻繁に休まなければなりません。
しかし、人間は汗をかくことで効率よく体温を下げ、長時間走ることが可能です。
また、大きな臀部(お尻)の筋肉やエネルギーを蓄える腱や筋肉も、持久力の向上に貢献しています。
さらに、ハーバード大学の進化生物学者であるダニエル・リーバーマン氏によると、「私たちの祖先は、獲物を追い続けて疲れさせ、狩猟を成功させていた可能性がある」という。
これは「持久狩猟」と呼ばれる理論で、動物が体温上昇で動けなくなるまで走って追い詰めるという狩猟スタイルです。
つまり、現代のウルトラランナーたちが驚異的な距離を走れるのは、私たちの体が長距離走に適した進化を遂げてきたからでもあるのです。
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結論として、人間は数日間にわたって、まともな休息を取ることなく走り続けることが可能であり、実際に700キロ以上を走ったランナーも存在します。
また、人間の体はもともと長距離を走るのに適しており、発汗による体温調節や筋肉の進化がその能力を支えています。
しかし、極限の長距離走には精神的な強さや適切なトレーニングも不可欠です。
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