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ヒョウモンダコのオスは「恋人に毒を盛る」と判明!その理由が切実だった

2025.03.12 12:00:40 Wednesday

愛する人に毒を盛るなんて、人間の世界ではあり得ないでしょう。

しかしタコの世界ではそれがあり得るようです。

豪クイーンズランド大学(UQ)の最新研究で、猛毒を持つ「ヒョウモンダコ」のオスは、交尾の直前にメスに噛み付いて毒を注入し、麻痺させるという驚きの行動を取ることがわかりました。

いったい何のためにメスに毒を盛るのでしょうか?

研究の詳細は2025年3月10日付で科学雑誌『Current Biology』に掲載されています。

Male octopus poisons its mate to avoid becoming post-sex snack https://www.popsci.com/science/blue-lined-octopus-sex/ Toxic Love: Male Blue-lined Octopuses Use Venom To Stop Sexual Partners Eating Them https://www.iflscience.com/male-blue-lined-octopuses-use-venom-to-stop-sexual-partners-eating-them-78358
Blue-lined octopus Hapalochlaena fasciata males envenomate females to facilitate copulation https://doi.org/10.1016/j.cub.2025.01.027

ヒョウモンダコが「恋人に毒を盛る」行動を確認

ヒョウモンダコ(学名:Hapalochlaena fasciata)は、猛毒を持つ小型のタコとして知られています。

その毒は「テトロドトキシン(TTX)」と呼ばれ、フグの毒と同じく神経を麻痺させる強力な作用を持っており、人間の死亡例も確認されているほどです。

通常、この毒は獲物を捕らえたり捕食者から身を守るために使われます。

しかし興味深いことに、今回の研究ではヒョウモンダコのオスが同種の、それも交尾相手のメスに毒を盛ることが判明したのです。

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ヒョウモンダコ/ Credit: canva

クイーンズランド大学の研究チームは、研究室内でヒョウモンダコの交尾行動を詳細に観察しました。

その結果、オスが交尾の初期段階でメスの大動脈付近を噛み、そこからTTXを注入することが確認されたのです。

ヒョウモンダコのメスは毒への耐性があるため、他の生物のように死ぬことはありませんでしたが、それでも無害ではいられません。

毒を注入されたメスは麻痺して、次第に呼吸が遅くなり、やがてほぼ1時間にわたる窒息状態に陥りました。

そしてメスがまともに動けなくなったその隙に、オスは精莢(せいきょう:精子の入ったカプセル)をメスの生殖管へと送り込んでいたのです。

しかし麻痺が解けると、メスは再び動き始め、それと同時にオスもメスから離れていきました。

では、なぜヒョウモンダコのオスは交尾相手に毒を盛るなんてことをしたのでしょうか?

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