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Credit: C. Royer et al., Communications Earth & Environment(2024)
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火星の岩にレーザー照射した結果、「水の惑星」だった証拠が見つかる!

2025.03.17 23:00:07 Monday

火星にはかつて水が豊かに存在していたとされています。

米パデュー大学(Purdue University)はその最新研究で、火星が「水の惑星」だった証拠を新たに発見しました。

研究チームは、火星の地表に散らばる淡い色の岩石にレーザー照射を行い、その鉱物組成を解析。

その結果、温暖で湿潤な環境でのみ生成される「カオリナイト」という鉱物でできていることが明らかになったのです。

研究の詳細は2024年11月7日付で科学雑誌『Communications Earth & Environment』に掲載されています。

Unburied treasure: Rover researchers find unexpected minerals on Mars https://www.purdue.edu/newsroom/2025/Q1/unburied-treasure-rover-researchers-find-unexpected-minerals-on-mars/ NASA Rover Shoots Laser at Martian Rock And Reveals Ancient Secret https://www.sciencealert.com/nasa-rover-shoots-laser-at-martian-rock-and-reveals-ancient-secret
Intense alteration on early Mars revealed by high-aluminum rocks at Jezero crater https://doi.org/10.1038/s43247-024-01837-2

火星に水はあったのか?過去の環境を探る

火星は現在、寒冷で乾燥した惑星ですが、過去には大量の水が存在していた証拠が次々と発見されています。

例えば、火星の表面には川や湖の跡と考えられる地形が見られ、NASAの探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」が撮影した画像からも、水による侵食の痕跡が確認されているのです。

特に火星の赤道付近に広がる大シルチス台地にある「ジェゼロ・クレーター」は、かつて湖が存在していた可能性が高い場所として注目されています。

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マーズ・リコネッサンス・オービター/ Credit: ja.wikipedia

これまでの研究では、火星の表面に存在する粘土鉱物が、水と岩石が長期間接触することで形成されることがわかっていました。

しかし、これまで探査機が発見した粘土鉱物は、主に鉄やマグネシウムを含むものでした。

今回の研究では、火星で初めてアルミニウムを豊富に含むカオリナイトという鉱物が発見されました。

これは地球では熱帯地域の土壌や温泉地帯で形成されるものであり、火星がかつて地球のような環境を持っていた可能性が高まったのです。

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