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psychology

「死にたくなるSNSの使い方」に注意!“心を壊すスクロール習慣”とは?

2025.03.31 07:00:33 Monday

SNSを使っていて、ふと心がざわついたことはありませんか?

何気なくタイムラインを眺めていたはずが、なぜか気分が沈んでしまう——。

気づけば、気持ちが重くなっている。

そんな経験をした人は、もしかすると「心をむしばむSNSの使い方」に片足を突っ込んでいるのかもしれません。

SNSの使いすぎは昔からしばしば問題視されてきましたが、近年の研究では単に利用時間が長いというだけでは問題の本質を捉えきれないと指摘されています。

どんな感情で、どんな習慣でSNSと接しているかによって、心の健康は大きく左右されるのです。

2025年3月に発表された、アメリカ・テキサス州の大規模な研究では、うつ病や自殺念慮の治療を受けている青少年のうち、4割以上が「問題あるSNS利用」をしていると判明しました。

「SNSって、何がそんなに危ないの?」

この記事では、なぜSNSが心に悪影響を与えるのか?

そして、「死にたくなるSNSの使い方」の正体とは?

最新の科学的知見をもとに、わかりやすく解説していきます。

Social media may heighten depression severity in youth https://www.utsouthwestern.edu/newsroom/articles/year-2025/march-social-media-youth-depression.html
Problematic social media use and relationship to mental health characteristics in youth from the Texas Youth Depression and Suicide Research Network (TX-YDSRN) https://doi.org/10.1016/j.jad.2025.01.046

SNSが心に与える“静かな毒”とは?

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これまで、SNSメンタルヘルスの関係については、主に「利用時間の長さ」が問題視されてきました。

SNSを長く使うほど、心の健康に悪影響を及ぼすのではないか——。

そうした仮説に基づいて、多くの調査やメディアの報道が行われてきました。

しかし近年、「時間の長さ」だけでは、心の問題を十分に説明できないという見方が広がっています。

実際、アメリカ・テキサス州の複数の医療機関が参加した研究プロジェクトでは、この視点に基づいた調査が行われ、従来の「時間重視」では見えてこなかった重要な知見が報告されています。

この研究では、うつ病や自殺念慮を抱える青少年のうち、40%以上が「問題的なSNS利用(PSMU)」をしているとされ、その人たちはそうでない若者に比べて、うつ症状や不安、自殺念慮のレベルが明らかに高いことが示されました。

ここで注目すべきは、「どれだけ使っているか」ではなく、「どう使っているか」という点です。

たとえば、SNSが見られないと落ち着かず不安になる、投稿を見たあと自己嫌悪や劣等感にさいなまれる、自分と他人を比べて「なんで私はこうなんだろう」と落ち込んでしまう——。

こうした心理状態に陥る人が急増していることが、さまざまな調査で報告されています。

つながりを求めて開いたSNSが、逆に自分を孤立させ、心を削ってしまう。

ここにはSNS特有の「比較のワナ」が潜んでいるようです。

華やかな日常、美しく加工された写真、成功して見える友人たち。

それらは、見れば見るほど「自分だけが取り残されている」という感覚を強め、気づかぬうちに心を蝕んでいきます。

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スクロールしながら感じる小さなイライラや落ち込みの積み重ねが、やがて深刻な精神的ダメージとなる。

SNSは便利で楽しいツールである一方、扱い方を間違えれば、心をむしばむ“静かな毒”にもなり得る——。

そんな現実が、いま私たちの目の前にあるのです。

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