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Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Heidi Hammel (AURA), Henrik Melin (Northumbria University), Leigh Fletcher (University of Leicester), Stefanie Milam (NASA-GSFC)
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ついに「海王星のオーロラ」がJWSTによって初めて観測される!

2025.03.27 18:00:26 Thursday

オーロラは地球上で見れる神秘的な現象の一つです。

しかしオーロラは地球だけでなく、木星や土星など他の太陽系惑星でも観察されていました。

ただし、地球より40倍以上も太陽から遠く離れた「海王星(Neptune)」では、オーロラが捉えきれていませんでした。

そんな中、英ノーサンブリア大学(Northumbria University)らの最新研究で、ついに海王星の上空に輝くオーロラが史上初めて観測されたのです。

研究の詳細は2025年3月26日付で科学雑誌『Nature Astronomy』に掲載されています。

NASA’s Webb Captures Neptune’s Auroras For First Time https://science.nasa.gov/missions/webb/nasas-webb-captures-neptunes-auroras-for-first-time/ Webb captures Neptune’s auroras for the first time https://esawebb.org/news/weic2507/
Discovery of H3+ and infrared aurorae at Neptune with JWST https://doi.org/10.1038/s41550-025-02507-9

海王星のオーロラは地球とは違う?

オーロラと聞くと、地球の北極や南極で見られる幻想的な光のカーテンのよう光景がすぐに思い浮かべられます。

これは太陽から飛んできた高エネルギー粒子が地球の磁場に捉えられ、大気の上層にぶつかって発光することで生じる現象です。

実は地球だけでなく、木星や土星、天王星といった巨大ガス惑星でもオーロラは確認されてきました。

しかし、太陽系の最果てにある海王星だけは、長年オーロラが確認されず、謎とされていたのです。

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Credit: canva

1989年にNASAのボイジャー2号が海王星をフライバイした際に、オーロラらしき兆候は見られたものの、確証には至りませんでした。

原因の一つは、海王星の磁場が非常に複雑で、自転軸に対して47度も傾いていることにあります。

このため、海王星のオーロラは地球のように極圏には現れません。

極ではなく中緯度、地球でいえば南米あたりに現れるのです。

さらにオーロラ観測のカギとなる「三水素カチオン(H3+)」という分子イオンも、木星や土星では簡単に観測できるのに、なぜか海王星ではこれまで30年以上見つからず、天文学者たちを悩ませてきました。

その背景には、上空の大気温度の急激な変化や、観測技術の限界があったのです。

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