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「跳んで飛ぶ」小型ロボットを開発 / Credit:MIT
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【跳ぶ×飛ぶ】がもたらす”超効率”移動とは?MITが小型の「羽付きホッピングロボット」を開発

2025.04.15 11:30:06 Tuesday

子供のころ、「ホッピング(ポゴスティック)」というバネを使った遊具で遊んだことがあるかもしれません。

そんな遊具に羽が加わるという面白い構造の小型ロボットが、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームによって開発されました。

このロボットはなんと、全長およそ5センチですが、ジャンプと羽ばたきの組み合わせにより全長の4倍も跳び、効率的に移動できるのです。

「跳ぶ機能」をもつ小型ロボットに「飛ぶ機能」が加わるとき、移動ロボットに新たな可能性が生まれるかもしれません。

研究の詳細は、2025年4月9日付の科学誌『Science Advances』に掲載されました。

Watch: Crafty robot uses wings to help it hop where others fear tread https://newatlas.com/robotics/hopping-robot-wings/ Hopping gives this tiny robot a leg up https://news.mit.edu/2025/hopping-gives-tiny-robot-leg-up-0409
Hybrid locomotion at the insect scale: Combined flying and jumping for enhanced efficiency and versatility https://doi.org/10.1126/sciadv.adu4474

ホッピングに羽を追加!?MITが開発した新しい移動ロボットとは

このロボットの最大の特徴は、「ホッピングと羽ばたきの融合」という斬新な移動スタイルにあります。

小型ロボットにとって地上を移動する際の大敵は「摩擦」です。

足で地面を歩くには相応の出力とバランス制御が必要ですが、サイズが小さいほどそれは難しくなります。

そこで研究者たちは視点を変え、地面を歩くのではなく“跳んで飛ぶ”というアプローチを取りました。

自然界では、バッタやカエル、ノミなどが、跳んで移動しています。

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ホッピングに羽を追加した構造 / Credit:MIT

MITのチームは、このような「跳ぶ生物」を模倣し、さらに昆虫のような軽い羽4枚を追加して「飛ぶ」ようにすることで、より効率的な移動を可能にしました。

構造は無駄なものを極限まで排除しており、遊具の「ホッピング(ポゴスティック)」に小さな羽を取り付けたようなシンプルなものです。

ロボットはジャンプ後、羽を使って横方向の移動を補助できます。

そして着陸時には落下のエネルギーを利用して、再びジャンプするための力を得ます。

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落下時のエネルギーを「跳ぶ」力に利用 / Credit:Yufeng Chen(MIT)et al., Science Advances(2025)

「ジャンプ → 羽ばたき  → 着地 → チャージ → 再びジャンプ」というサイクルにより、エネルギーの無駄なく広範囲の移動が可能なのです。

ジャンプと羽ばたきを繰り返すこのスタイルは、エネルギー効率が極めて高く、地形の影響も受けにくいというメリットがあります。

では、「跳ぶ×飛ぶ」の組み合わせの結果、どんな能力が得られたのでしょうか。

(次項では、ロボットが実際に移動している動画を公開します)

次ページ「跳ぶ×飛ぶ」で効率的な移動を実現

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