首から産卵するシーンを初撮影!
「パウエリファンタ・アウグスタ」は、ニュージーランド西海岸のブラー高原の限られた地域にしか存在しない希少なカタツムリです。
見た目は普通のおとなしそうなカタツムリですが、肉食性でミミズなどを捕食し、ゆっくりと動きながらも獰猛な生態を持っています。
しかし本種は現在、その夜行性と限られた分布域、そして炭鉱開発による生息地の消失により、絶滅の危機にさらされています。
2006年、彼らの生息地であるマウント・アウグスタスが大規模な露天採掘により破壊されることが決まったため、DOCは彼らをニュージーランドの都市ホキティカに移し、飼育下保護を開始しました。
それから約20年、カタツムリたちは厳しい環境の中でも少しずつ成長を続け、飼育員たちにとってはまるでわが子のような存在となってきました。

そして今回、卵を産む決定的瞬間を撮影したのは、DOCのレンジャー、リサ・フラナガン氏です。
彼女は12年以上にわたり、パウエリファンタ・アウグスタの世話を続けてきました。
「これまで何度も彼らの健康チェックや体重測定をしてきましたが、実際に産卵の瞬間を目にしたのは初めてです」と彼女は語ります。
ある日、カタツムリをひっくり返して体重を測っている最中、首元のある部分から、真珠のように白く輝く卵がにゅるりと現れたのです。
実際の映像がこちら。(※ 視聴の際は音量にご注意ください)
まるでファンタジーの世界を覗き見たかのような瞬間でした。
この貴重な産卵シーンが撮影されたのは世界で初めてのことです。
では、パウエリファンタ・アウグスタはどのような繁殖システムを持っているのでしょうか?