「足で考えるロボット」が開発される!脳が無くても環境に合わせて足の動きを変える

「足で考える」とは、どういうことなのでしょうか?
これまでのロボットは、センサーで情報を集めてコンピューターが処理し、モーターに命令を出して動作を制御していました。
いわば、ロボットには頭脳が存在し、それが身体を完全に支配しているような構造です。
しかし今回のロボットには、そうした中央の司令塔が存在しません。
それぞれの足が自己振動という独立した運動機構を持ち、環境と直接的に相互作用しながら、全体としてまとまった動きを見せるのです。
その結果、このロボットは前述したように、足を動かして、地上を高速で移動できます。
さらに、目的があるような行動も示します。

たとえば、障害物にぶつかると自動的に方向を変えます。
陸上から水上へ移動すると、振動のパターンが自然に変化して適応します。
これらの行動はすべて、外部から命令されたものではありません。
構造と物理現象の中に「知性のようなふるまい」が内蔵されているのです。
これは、生物の身体構造とも共通しています。
私たち人間も、すべての動きを脳だけでコントロールしているわけではありません。
歩くリズムや筋肉の調整の多くは、身体そのものの仕組みに委ねられています。
また研究チームは、動物にみられる例を次のように説明しています。
「たとえば、ヒトデは司令塔のような脳ではなく、局所的なフィードバックと体の動きを利用して、数百本の管足を協調させています」
新しいロボットでも、ヒトデのように「脳が無くても、複雑で機能的な行動を生み出せる」のです。

そしてこの技術は、今後さまざまな場面での活用が期待されています。
医療分野では、体内を移動する小さなカプセルロボットなどにも応用できるかもしれません。
また義足や義手においても、センサーやコンピューターに頼らず、物理的な素材の工夫だけで自然な動きを再現する設計が可能になるかもしれません。
さらに、従来の電子機器が故障するような宇宙などの極限環境でも、力強く動作するロボットを生み出せるかもしれません。
このように、「頭がなくても動けるロボット」は、従来の知能観とは違う角度から「賢さ」や「自律性」を考えるヒントを与えてくれます。
人はつい、複雑なコンピューターや人工知能だけが知性を持つと思い込みがちです。
しかし今回の研究は、空気とチューブというシンプルな素材でも、物理法則をうまく利用すれば、賢くふるまうロボットを作れることを教えてくれました。
もしかすると、私たちの身の回りにあるもっとも単純なものが、未来を切り開く鍵になるのかもしれません。
これは空気でやっていますけど、きっと液体とか柔らかい個体でもできるのですよね。
もしそうなら内臓としては循環器系だけあれば体を動かせるってことになりますから、ロボットとか人工の生命体デザインするときに使えそうですね。
結構画期的じゃないか?
哺乳類の脊髄には介在ニューロンというものがあり
歩行などの運動パターンを生成したり反射を司っているらしい
pmcid:PMC3150186
ちょっと残酷だけど
首を切り落としたニワトリがしばらく歩く映像とかあるよね…
脳が無くても脊髄に歩く機能がある
「セントラル パターン ジェネレーター」
蜘蛛も体液で柔軟な関節を動かし、
蜘蛛の死骸に空気を送り込み動かす実験もあります。ただ、小型の空気を送り込む機械と制御がなかなか無い。