アミノ酸を制限したら体重はどうなる?マウスを用いた「アミノ酸カット」実験
世界中で増加の一途をたどる肥満。
その背景には過剰なカロリー摂取や運動不足だけでなく、代謝の仕組みに関する複雑な要因が絡んでいます。
これまでダイエットと言えば、糖質制限や脂質制限が主流でしたが、研究チームは、「アミノ酸制限」に注目しました。
アミノ酸とは、私たちの体を構成するタンパク質の材料となる物質で、全部で20種類あります。
その中でも体内で合成できない9種類が「必須アミノ酸」とされ、食事からの摂取が必要です。

一方、体内で合成可能な「非必須アミノ酸」もありますが、今回の研究ではその一つである「システイン」に注目が集まりました。
システインが代謝の中心にある重要な物質であり、代謝プロセスやエネルギーの貯蔵・放出に関係する他の多くの物質の生成にも関わっているからです。
そのため、システインの欠乏が引き起こす変化は、単なる栄養失調ではなく、全身的な代謝の変化につながると予想されたのです。
今回、研究チームは、遺伝子改変により「システインを体内で作れなくなったマウス」を用いました。
そして彼らにシステインを完全に除いた餌を与え、システインを完全にカットしました。
では、このマウスにはどんな影響が及んだでしょうか。