マイクロソフトのAIが、人工知能とは対極にあるイメージもある「詩」をつくり出すことに成功しました。
詩は、人間生活や自然の中で感動したものを、一種のリズムをもつ言語形式で表現するもの。
今回詩をつくったのは、マイクロソフト中国が開発した対話型のチャットボット「XiaoIce(シャオアイス)」です。ちょうど日本で言うところの女子高生AI 「りんな」の中国版のようなものでしょう。
XiaoIceはこれまでの対話から1200万もの詩を生成しています。その詩は与えられる画像からインスピレーションを受けて生み出されています。
例えば、下の画像をご覧ください。
この画像から、XiaoIceは次のような詩をつぶやいています。
Wings hold rocks and water tightly
In the loneliness
Stroll the empty
The land becomes soft
(訳)
翼が岩や水を強く抱きしめる
孤独に包まれながら
空っぽの中を歩いていると
やがて温もりが訪れる
どうでしょうか。AIがつくったとは思えないほど、感受性豊かな詩となっています。
ボットがつくる詩は、あるキーワードからつくられます。そのキーワードはというと、Googleが開発した人工知能アルゴリズムであるGoogleNetを用いて、画像に関連する単語が生成されるのです。そして、キーワードに関連する単語をつくってフレーズを作成していきます。作成されるキーワードは「岩」や「木」などのような単語です。
キーワードに関連する単語は、2027個もの現代中国詩を学習することにより、一定のクオリティで生成されます。面白いことに、アルゴリズムは質の低い文や詩を検出すると、それを消して新しいものをつくります。これは、AIが人のように失敗した詩をぐしゃぐしゃに丸めて投げ捨てる姿に似ています。
作詩ができるAI。これからの将来、産業だけでなく創作活動にもAIが台頭してくるかもしれませんね。