夢を貫く子ほど視野が狭い? 意外な落とし穴
2015〜2018年に小学5年生だった約3,000人を、2021〜2024年に高校2年生になるまで追跡したところ、35.0%の子どもたちは「同一系統の職業」を一貫して志望し続けていたことが判明しました。
つまり、10年近く同じ夢を持ち続けた“ぶれない”子どもたちが3人に1人もいたというわけです。
しかし、ここにちょっとした落とし穴が。

夢が一貫していた子どもたちは、「自分の進路について深く考えた経験」や「疑問を自分で調べた経験」が、夢を変更した子たちよりも少なかったのです。
一見、「夢を抱き続けること」は“いいこと”に思えるかもしれませんが、それは逆に新たな職業や可能性に出会う機会を失っているサインでもあるのです。
研究チームも次のように述べています。
「夢を持ち続けることは大切ですが、重要なのは早期になりたい職業を明確にすることではありません。
さまざまな選択肢に触れ、柔軟に進路を考えることも、これからの時代にはより重要になると考えられます」
そのため、家庭や学校では、さまざまな職業体験やロールモデルを紹介し、子どもたちが夢を柔軟にアップデートできる環境を整えることが求められています。