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psychology

ナルシシズムの強い「危険なリーダー」を育ててしまう家庭環境が判明! (2/2)

2025.06.04 07:00:12 Wednesday

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危険なナルシシストを生む家庭環境の共通点とは?

研究によると、ヒトラー、プーチン、トランプのいずれも、幼少期に健全なナルシシズムの発達を妨げるような心理的ストレスにさらされていました。

一言で説明すると、彼らはいずれも厳格で権威的な父親と情緒的に過保護な母親のもとで育っていたのです。

このような、片親からの厳しい抑圧と、もう一方からの過度な愛情という組み合わせは、子どもに情緒的不安定を引き起こし、無価値感や不安から逃れるために誇大な自己像を形成する要因になるといいます。

たとえば、ヒトラーは父親から“カバ革のベルト”で頻繁に暴力を受けていたとされていました。

その一方で、母親は彼を溺愛し、3人の子を亡くした後の心の拠り所として扱っていました。

このような極端な環境が、ヒトラーの誇大な自己意識や支配欲の形成に関与した可能性があります。

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ヒトラー/ Credit: ja.wikipedia

プーチンも類似の家庭背景を持っています。

彼の両親は彼が生まれる前に2人の子を亡くしており、プーチンは戦時の苦労話を聞いて育ちました。

彼自身も父親からベルトで叩かれていたと公言しており、母親からの情緒的な注目を一身に受ける“代替児”として育った点もヒトラーと共通しています。

またトランプの場合は身体的虐待ではなく、情緒的な見捨てられ体験が指摘されています。

12歳で軍事寄宿学校に送られたことを本人は「両親に拒絶されたと感じた」と語っています。

このように家庭から切り離され厳格な環境に置かれたことが、彼の支配欲や賞賛への欲求を強化した可能性があります。

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トランプ/ Credit: ja.wikipedia

これら3人の事例に共通するのは、トラウマや年齢に見合わない強いフラストレーションの経験です。

子どもにはある程度の困難が必要ですが、それが極端だった場合、感情の回復力を失い、防衛的なナルシシズムが育つことになります。

そして何より、3人に共通するのが権威的な父親像です。

支配的で愛情を与えず、感情的に不在な父親と、母親の過剰な補償が、健全な自己概念の発達を妨げたと考えられます。

この研究は、これらの指導者たちに見られる誇大性、賞賛への欲求、批判への敵意、共感の欠如などの特徴は、単なる野心やイデオロギーだけではなく、癒されていない幼少期の傷に根ざしている可能性を示唆しています。

もっとも、この研究にはいくつかの重要な限界があります。

本人への心理面接や臨床評価ではなく、あくまで伝記や歴史的記録に基づくものであるため、臨床的な診断は下せません。

また同じような幼少期の逆境を経験していても、すべての人がナルシシストになるわけではなく、個人差は大きいとチームは指摘しています。

それでもこうした家庭環境の複雑さが、将来的に、危険な政治リーダーを生むことにつながるかもしれません。

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ナルシシズムの強い「危険なリーダー」を育ててしまう家庭環境が判明! (2/2)のコメント

ゲスト

けど危険視するのは自称左派や自称リベラルの敵だけでしょ
それじゃあ小賢しさを加えて流行取り入れれば良いってなって、なんの問題解決にならないな
いい加減に「ヒトラー非難しとけば善人だ」手口の危険性も語らないと、先に非難したもん勝ちってヒトラーの再現を止められないし、それじゃどんだけヒトラーの悪口増やしても意味ないって

ゲスト

麻原もそうだね

弱者男性日本代表

経緯であったり正体がわかったからと攻撃したり排除しようとするのは全く方向性が違うという事は念頭に置くとして、各種ハラスメントやいわゆる毒親の発生源も行動原理も大体この辺(大雑把)なので解決策は幾らでも考えられそうですが改善策が欲しい所です。まずは本人が自覚する所から。

ただ、何の資格も知識も必要無しに親権を得られる現状では家庭環境そのものを刷新する事は到底出来ないのでしょうね。

ゲスト

俺、トランプだった

まあ権威主義の父親の家庭にはよくあるパターンかもね

ゲスト

なんというかポリコレの典型を見た気がします。

ゲスト

親が権威的で子に承認を与えなさすぎると子は病むのはうちもそうだったからよく分かるけど(俺も姉も引きこもり)、その中でそいつらみたいに親に輪をかけた権威者になるのと、承認不足過ぎて引きこもったり自殺したり無差別殺人程度の復讐しか出来ない人との違いがよく分からなかった。ネガティブさをぶつけて責任取らなくて良い的(過保護な母)が必要なんだとしたら権利関係を図にすると
 父>>>子>>>母
くらいの隔たりがあって、子は親父から受けた恨みを「一人でやられっばなしになるのではなく」「存分に八つ当たり」出来た経験が必要なんだろう。八つ当たりの対象が母でなくクラスでのいじめっ子でも良いし近代までなら地域社会での障害者など社会弱者でも良い。受動的にやられっぱなしなだけではなく自身も攻撃する事を覚えて親父の権威性を無意識に完コピして弱肉強食論理を自身に刷り込む。親父から与えらなかった承認を不健全な形で自作する。そしてそういう権威主義者二世に虐められる奴も多くは親が少なくとも片方は権威的で承認不足に育ってるけど、もう片方も権威的か十分な承認を与えなかったために家庭内で自身が能動的になれる機会が無く、いじめっ子に対してもどう抵抗して良いか分からない。いじめられっ子は親から虐められた借りを弟妹やペットや野生動物にぶつける事で返す事もあるけど(酒鬼薔薇聖斗など)、彼はその解消の仕方を将来人間にも採用する。野良猫にすら八つ当たり出来ないと成功体験が無さ過ぎてもう自分を殺すしか無くなる。
 父>>>子>>>母 と言う事は 父>>>>>>母 でもあり、親父が母に対して心身暴力的にしか接しないのを見させられて育つと子も虐めを覚える(中井久夫の説)。そもそも理想は父=母なのになんで権利不平等な関係になってしまうのか。パントーフランチェスコは日本社会にはそういう凸凹の組み合わせが多いと指摘していて、なぜそうなのかまでは語っていないけど、俺が思うに権威主義社会だから。特にエマニュエルトッドの言う権威主義直系家族社会は上下の関係ばかりがあって横の関係が希薄であるためにみんな家庭内でも上下関係でしか繋がれない。仮に父がサドで自己愛性パーソナリティ、母がマゾで自己敗北性パーソナリティだとして、トータルでは凸凹が噛み合っていても、子は夫婦二人が歪みを中和し合った存在として接する訳ではなく、一人一人の変人としてしか接しようが無いために、両方の悪い所を継いでしまう。

支配欲や権威性は遺伝もするけどナゾロジーで過去に取り上げた事があるかどうかは知らない。親が権威主義者なら子はそれを先天後天両面で継がされる。血も家庭環境も権威主義に導くなら家庭外の環境がそれを中和するしかないけど、権威主義者が大勢いるような社会なら国自体が権威主義だから、家庭内で歪んだ人は家の外でもむしろその歪みを保たないと生き難い。エーリヒフロムの言う権威主義ハーソナリティを量産する社会になる。そしてなぜ社会が権威主義化して行くのかはトッド曰く古い社会ほど社会流動性が低下して自ずとそうなる。学校でも一年一学期はクラス全員の権利が平等だけど二年生にもなるともうクラスカーストが固定されていて権威的いじめっ子とスケープゴートが固定される。中井久夫も岡檀もクラスや地域社会には社会流動性・関係流動性が重要である事を彼らなりの表現で説明している。学校なら席替えクラス替え転校というリセット行為を頻繁に行わない限りどうしても権利不平等な社会になる、地域共同体社会も古くなると地域住人間の地位や権利の格差が広がりっぱなしになる。世界規模での経済格差縮小イベントには大戦があるけど、権利格差解消イベントには革命があり、日本では過去に一度も革命が成功した事が無い。それもやはり権威主義直系家族社会である事が影響していて、国民がデモやストライキをろくにやらないのは国民間での権利が平等でなくて心理的距離が遠くて繋がろうとしないから。学校でも職場でも先輩後輩の意識が強いから、学校職場での関わりが無い初対面に対しても彼我どちらが上下化を量りたがってしまう。あくまで対等なつながり方をしようとしない。親密な関係はあくまで地位や権利が対等な上でしか作れないのに、権威著系社会は兄弟姉妹間が親から不平等に扱われてきた事によって子供たちは大人になっても他人との間に上下関係を持ち込み相手を突き放したり自分から逃げたりして、心と心の距離が遠いから協力出来ない。電車内で頑なに席を譲らないのもその典型。店員と客の関係でも客が圧倒的上位なのもそれ。資本主義が問題なんじゃなくて金が有る方が権威者になってしまっているのが問題。同じ資本主義社会でもアメリカなら初見の店員と客が冗談を言い合うくらい出来るけど、日本ではそれが無理なのはアメリカは自由主義なのに対し日本は権威主義だから。ともかく席も譲れない国民がデモや革命なんか成功させられない。すると権威者(国家や上司や先生)にとっては国民や部下や生徒たちが自ら分断してくれてる事になるから分断統治が捗って保守硬直社会になる、権威主義が家庭内外でいつまでも続く。

    紀州の川

    「権威主義的パーソナリティ」の提唱者は、フロムではなく、アドルノとホルクハイマーです。

    それ以外の部分は興味深いご意見として拝見しました。熱心な記述、ありがとうございました。

きこ

そういう人間に投票してるのは国民なんだけど
政治家もタレントも普通の人はやらないでしょ?
世に出ること自体を否定してるのか、
成功を否定してるのか

ゲスト

何か歯切れが悪い話だな
本当は独裁者について言及したかったけど、意図した結果が得られなかったり身内で幼少期の属性が被る人が多かったりして都合が悪かったので、ふんわりとしたナルシスト枠3名のサンプルに変更した説

ゲスト

とにかくサンプル数が少ない、夏休みの自由研究くらい少ない

ゲスト

そんな家庭はいくらでもあるだろw

ゲスト

確かに両極端の破壊力は大きいかもしれません。

ゲスト

おちんちんザウルス

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