会話が聞き取りづらい「感音性難聴」とは?

日本では高齢化の進行とともに「感音性難聴」を抱える人が増えています。
感音性難聴とは、耳の奥にある「蝸牛(かぎゅう)」や「聴神経」、さらには脳の聴覚中枢などに障害が起こることで音の感知や認識が低下するタイプの難聴です。
このタイプの難聴では、単に「音が小さい」だけではなく、「音は聞こえても言葉がはっきり聞き取れない」という症状が現れます。
特に騒音下では、会話内の言葉がぼやけてしまい、相手の話す内容を理解するのが難しくなります。
その結果、聞くことに集中しすぎて疲労を感じたり、会話を避けるようになってしまったりと、社会的孤立や認知機能の低下につながる恐れもあるのです。
従来の対策として補聴器の使用が一般的ですが、以下のような課題があります。
・長時間の装着が不快
・音がうるさすぎて疲れる
・装着そのものへの心理的抵抗
このような背景から、補聴器に代わる新しい聴覚リハビリ手段の開発が求められていたのです。
そこで注目されたのが「音楽による脳への刺激」です。
とくに「高音域」に着目した音響療法が、脳の聴覚処理を活性化させる可能性に光が当たってきました。