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働く日本人を悩ませる健康問題とは? / Credit:Canva
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【年間6500万円/1000人の損失】働く日本人の「最大の健康問題」が明らかに

2025.07.01 06:30:21 Tuesday

何らかの健康問題を抱えながら仕事を行っている人は少なくありません。

あなたのまわりにも「腰が痛いけど休めない」「心が重くても出社する」といった声を聞いたことがあるのではないでしょうか?

昭和医科大学の研究チームは、日本の就業者1万人を対象とした大規模調査を行い、「健康問題によって生産性が低下している労働者が約3人に1人いる」という実態を明らかにしました。

最も多かった健康問題は腰痛で、年間に失われる生産性は1,000人あたり約6,500万円にものぼると試算されています。

この研究成果は、『Journal of Occupational and Environmental Medicine』誌の2025年4月号に掲載されました。

【昭和医科大学】日本人労働者3人に1人が仕事に支障をきたす健康問題を抱えながら出勤 ― 最大要因である腰痛による生産性損失は、1,000人あたり年間約6,500万円との試算も https://www.u-presscenter.jp/article/post-56633.html
Presenteeism Caused by Health Conditions and Its Economic Impacts Among Japanese Workers in the Post-COVID-19 Era https://doi.org/10.1097/JOM.0000000000003319

健康問題によりパフォーマンスが落ちる

働き方改革や高齢化の進行、そして新型コロナウイルス感染症によるライフスタイルの大きな変化により、日本人労働者の健康と仕事のパフォーマンスの関係はこれまで以上に注目されています。

従来、企業は「欠勤(アブセンティーズム)」による損失を重視してきました。

しかし最近では「出勤していても健康問題によりパフォーマンスが落ちている状態=プレゼンティーズム」が、より深刻な課題として浮上しています。

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健康問題によりパフォーマンスが落ちる「見えない損失」に注目 / Credit:Canva

プレゼンティーズムは外から見えにくく、しばしば軽視されがちです。

それでも、その影響は確実に蓄積され、企業の生産性や業績に無視できない損失を与えていると指摘されています。

特に、COVID-19以降のテレワーク普及や生活リズムの変化により、新たな健康問題の出現も懸念されてきました。

こうした点を明らかにして改善するため、本研究では、2023年2~3月にかけて、全国の20〜69歳の就業者1万人を対象に、インターネット調査が実施されました。

性別や年齢など人口構成比を反映するよう調整された構成で、正規・非正規雇用者、フリーランスなど多様な就労形態を含んでいます。

調査票では、過去4週間に仕事に支障をきたした健康問題の有無や症状、影響の度合い(パフォーマンス低下)について11段階で自己評価する形式が取られました。

さらに年収データと合わせて、症状別の労働生産性損失額が試算されました。

次ページ3分の1が健康問題を抱えている!1000人あたり年間6500万円の損失

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