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「小さいことでキレ過ぎ」人は何歳から怒りのコントロールが上手くなるのか? (2/2)

2025.07.12 07:00:57 Saturday

前ページ女性は怒りっぽい?

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「怒りを感じても、ぶつけなくなった」

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結果として明らかになったのは、女性たちは加齢とともに「怒りを感じにくくなり」「怒りをぶつける傾向が減り」「怒りを上手に扱う力が高まっていく」という一連の変化でした。

今回の研究では、「怒りを感じる頻度や強さ」だけでなく、それをどう表現するかも詳しく分析されました。

それによると、中年期の女性は、怒りを爆発させるような表現(Anger-Out)は次第に減り、冷静にコントロールする力(Anger Control)は年齢とともに向上していました。

つまり、「すぐに声を荒げる」「相手にぶつける」といった直接的な怒り方は少なくなり、より穏やかに対応できるようになっていたのです。

とはいえ、この変化だけを聞くと、怒りを感じても外に出さず、心の中に押し込める傾向(Anger-In)が強まっただけではないか? という疑問が浮かびます。

しかし、データ上では年齢に応じて、心の中に押し込める傾向(Anger-In)が増加するという事実は見られませんでした。

これは、「年齢を重ねたからといって、怒りをただ我慢するようになった」ということではなく、うまくコントロールして対処する力が育ったことを示しています。

そのため、若い頃のように、怒りを表出しづらいために、「仲間内で悪口を言って発散する」「SNSなどで間接的に吐き出す」などの行動も減少する傾向があると考えられます。

女性は更年期で感情が不安定になりがちということはよく言われるため、この時期に怒りのコントロールが上手くなっているという報告は矛盾するように感じる人もいるかもしれません。

確かに、怒りの強さそのもの(ステート・アンガーやトレイト・アンガー)は、更年期の移行期にやや高まる傾向がありました。

しかし、これはホルモン変化や心身の不安定さに伴う一時的なものと考えられています。それを過ぎて閉経を迎えると、怒りの強さは徐々に下がっていき、より穏やかな感情の安定期へと移行していくことが研究からは示されました。

つまり、更年期を「通過すること」自体が、感情的な成熟と安定につながっているとも解釈できるのです。

なお、この研究は女性のみを対象としているため、男性との比較は直接行われていません。ただし、他の研究では男性の怒りは中年期以降も減少しにくく、表出のコントロールも女性ほど高まらない傾向があることが示されています。

感情は鍛えられる――“怒り”との上手な付き合い方

怒りは、誰にとっても厄介で、時に破壊的な感情です。

けれどもそれは、自分の大切な価値観が侵害されたときに湧き上がる、いわば「心のアラーム」でもあります。

それを否定したり無理に抑え込むのではなく、年齢とともにその扱い方を覚え、感情とのつき合い方が変わっていく――今回の研究は、そんな変化を科学的に示したものといえるでしょう。

「前は腹が立って仕方なかったのに、最近は不思議と落ち着いて対応できる」

そんな自分の変化に気づいたとき、それはきっと“心の成長”のサインなのかもしれません。

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「小さいことでキレ過ぎ」人は何歳から怒りのコントロールが上手くなるのか? (2/2)のコメント

ゲスト

全然キレてないっす

ゲスト

犯罪率見れば一目瞭然だけど、カッとなって人を殴るのも性欲に飲まれて性犯罪起こすのも圧倒的に男だよね
怒りだのなんだの、感情をコントロールできないのは圧倒的に男

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