センサーが知らせる水分補給が「炎天下で働く人の命を守る」
研究チームは、このセンサーが本当に使い物になるのかを確かめるために、2種類の検証実験を行いました。
1つ目は、被験者に利尿剤を投与して意図的に脱水状態を作り出すテストです。
この状態で、尿サンプルを採取し、尿中の浸透圧や比重など脱水の生化学的指標と、センサーの測定値とを比較しました。
その結果、上腕のインピーダンス変化と尿マーカーとの間に高い相関関係が確認され、センサーが体全体の水分変化を的確に反映していることが明らかになりました。
2つ目は、24時間の自由行動下での測定試験です。
被験者には通常通りの日常生活(歩行・作業・軽い運動など)を送ってもらい、その中で水分変化を継続的に記録しました。
これにより、実際の生活環境においてもセンサーが有効であることが示されました。

センサーが真価を発揮するのは、たとえば真夏の炎天下で活動する消防士や軍人、警察官の場合です。
また、激しいトレーニングや試合に臨むアスリートにも適しています。
さらに、慢性的な脱水症状を起こしやすい腎疾患や心疾患の患者、高齢者のような人々にとっても、このセンサーは大きな助けになるでしょう。
つまり、水を飲み忘れただけで命に関わる現場での活用が強く期待されています。
将来的には、「eタトゥー型や汗を吸収する素材を使った、より快適なウェアラブル化」「太ももや前腕など、別の部位での展開」が視野に入れられています。
水分補給は、生命維持の最前線です。
このセンサーは、あなたの命を守る「もうひとつの喉の渇き」となるかもしれません。
常時足りてない言われて困る未来が見える…そんなこと言われても胃が弱くてたくさん水飲めないのに…。