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切断されてもくっつくセンサーとは? / Credit:Rathul Nengminza Sangma(VUB)et al., IEEE Sensors Journal(2025)
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【なぜくっつく?】切断されても自己修復するセンサー (3/3)

2025.08.20 11:30:17 Wednesday

前ページ切断してもくっつく!? 「自己修復センサー」の仕組みとは?

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800回の伸縮テストにも耐える「自己修復センサー」

センサーの性能は、以下のような実験で確かめられました。

まず最大800回の伸縮テストが行われましたが、ドリフト(出力の変化)は5%以下でした。

また半分に切断し修復した後のセンサーを同じ回数伸縮させましたが、ドリフトは10%未満でした。

この結果から、センサーは繰り返しの損傷や修復を受けても実用に耐えると分かります。

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800回の伸縮テストにも耐える。材料の95%以上がリサイクル可能 / Credit:Rathul Nengminza Sangma(VUB)et al., IEEE Sensors Journal(2025)

さらに驚くべきは、材料の95%以上がリサイクル可能だという点です。

使用後のセンサーは、ポリマーの可逆性を活かして加熱・分解し、新たな形に再成形して利用することが可能です。

この技術は、医療分野やスポーツ科学、さらには柔らかいロボット(ソフトロボティクス)の皮膚のような部位への応用が期待されています。

研究チームはすでにスピンオフ企業「Valence Technologies」を設立し、製品化に向けた準備を進めているとのこと。

従来のテクノロジーは、壊れないことを前提に作られてきました。

しかしこの研究は、「壊れること」を受け入れ、その先に“修復”という能力を加えることで、持続可能な未来を作ろうとしています。

私たちの皮膚のように、「傷ついても治り、また動き出す」。

そんなセンサーが、明日のスマートデバイスの常識になる日も近いのかもしれません。

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